琥珀色の石

 身体がどんどん岩になっていく

 体の動きがごわついて、心の大事なところからボロボロと崩れる



 他人が頑張って積み重ねた

 ミルフィーユの


 一番美味しいところだけを

 甘さたっぷりにして


 琥珀色の石に閉じ込めて

 好きなところだけを


 自分の舌に転がしたい

 苦労せず知識と経験が欲しい



 ただで美味しい思いをしたい



 灰色の空の下、やかんに沸かした麦茶がこぼれ出し、ワンルームの部屋をなみなみと満たした。

 鼻とくちびると間に水を感じながら、あぁ、溺れるまであと少しだな、とぼんやり思った。



 生活が壊れてる部屋。岩の破片が浮かんでいる。壊れた岩から綺麗な琥珀色に輝くぼくだけを取り出して、コレクターに集められたら

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