夜の言葉をそのままに

飴色のガールプール

　何もしてないのにパソコンが壊れた。

　机の上に散らばった書類。深夜2時の学校で、プールの水が溢れ出し、すべての教室を青く染める。あぁ、僕はまだ、何もわかっちゃいなかった。

　何も言ってないのに怒られた。

　休み時間は10分しかないのに、どうしてあれだけ話せたんだろう。

　パソコンの電源を勝手に消して怒られた。

　飴色の天井に琥珀色のLEDの灯りがともる。

　会議室の扉を開けたつもりが、君が悲しい顔をしたあの日の教室だった。

　君がぼつん、ぽつんとぶつ切りに呟く別れの言葉を聞きながら、ぼくは頭の中が、パワーポイントでまとめた資料のことでいっぱいだった。