第11話 おーい
おーい 飯
おーい おかず
おーい 水
床に伏せた夫は
いつも食事の量が多いと云う
おーい
おい
お
もう
その声も聞こえない
悲しみと静寂だけが取り残される
呼ばれたと思い込み
日常の多くの喧騒で掻き消す
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