私は愛の秤かたを知らない
月埜
秤
私は、親の愛情を知らずに育った。
私は、”愛“を知らない。
愛されている事を確かめる方法も。
そんな、私がひとりの男性と出会った。
「君の為なら、なんだってするよ。」
「例え君に、愛されなくとも。」
「僕は、君に無償の愛をあげる。」
でも私は、愛の秤かたを知らなかったの。
何年一緒に居ても、私は愛されているのか分からないの。私は、愛されているの?
最初は、ブランドのバックを欲しがった。
次は、ピアスを開けて欲しいと言った。
その次は、彼の長髪を短髪にしてと。
私は、愛の秤かたを知らなかったの。
ブランドのバックを、一緒に買いに行った。
私がピアスを開ける時、私より怖がっていたのに彼は当たり前のようにピアスを開けた。
彼は、大事にしていた長髪を次の日にバッサリと短髪にして仕事から帰って来た。
私は、愛されている事を確かめたかったの。
だけどどんなに、彼が愛を教えてくれても分からない。
私は、愛の秤かたを知らなかったの。
私は彼に言ったの
「 ?」
次の日、目覚めると彼はもう居なかった。
温もりだけを残して消えてしまった。
彼はもう居ない。
私は、愛の秤かたを知らなかったの?
生暖かい雫が、頬をつたう。
嗚呼、私は彼を愛してたのね。
私は愛の秤かたを知らない 月埜 @SR_tukino
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます