楽しく書くために、あなたが「しなくてもいい」こと

椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞

「忌憚なき感想」なんていらない。

 よく、小説サイトなどで「作品を読んで欲しい」系の企画などで、


「忌憚なき感想をください!」


 という言葉を目にする。


 だが、小説講座に通っている身としては、


「忌憚なき感想」を受け取って、そのまま直した鋼メンタル人は、100%「いない」。


 マジでいない。ほとんど辞めた。


 イチから書き直す人は、めっちゃいたけど。



「てめえは、講師から指導を受けてんじゃん!」


 という意見が返ってくるかも知れない。


 それは生徒の作品を吟味して、投稿先なども確認取って、といった、

「信頼関係」

 の上で成り立っている。


 漫画家・大塚志郎先生の描かれた漫画指導マンガ


「なお先生は怒らない」


 では、「批判は非効率」と言い切っている。


 一方的で感情的な批判は相手との距離を離してしまい、相手からはノイズとしか認識されないと。


 最も効率的なのは、ほめて長所を伸ばすことだ、という。

 そうやって自信をもたせてから、本格的な分析へ移す。


 相手の作風、苦手分野、などを分析して把握する。その上で提案するのだ。


 信頼関係を築けるのは、


 ・何年来の知り合いで、あなたの夢に対して肯定的な人

 ・小説講座のベテラン講師

 

 くらいである。



「何年来の付き合いだが、あなたの夢に否定的な知り合い」

 なんかに意見を求めたら、最悪だ。

 

「マウントされて当然」なわけ。

 相手はあなたを「罵倒したくて舌なめずりしている」と思っていい。

「良かれと思って」

「おまえのためだ」

 なんて、オレから言わせれば、ただの「マウントを取る免罪符」にすぎない。

 

 あなたが筆を折る場面しか、まず浮かばないよね、と。



 ぶっちゃけ縁を切って。どうぞ。オレは切ったよ。20年も前の話だけど。



 なので、オレは「どこの誰かわからない」、「ひょっとするとプロに毛の生えた系の人かもしれない人」には、まず尋ねない。


 また、オレも意見をしない。


「しかるべきところ、例えば応募先に聞いてください」としか言えないのだ。


 無責任すぎるから。


「面白くなかった」とは言えるかも知れないが、「こう直せ」は流石に作風無視しているかも、と思って、怖くて言えない。


 忌憚なき感想を言われて凹むくらいなら、褒めてくれる人を探して感想聞くほうがいいかな、と。


 罵倒しかしない人は、選んではいけない。


 それは「ただのドM」どころか、

「執筆をやめるきっかけがほしいのかなぁ」

 とさえ思われかねんのだ。



 本当に指摘が上手い人は、ちゃんと「あなたの良さ」も伝えます。

 ほんまよ。



「忌憚なき感想」という言葉は使わなくていい。


「主に、どこを伸ばせばいいのか教えて欲しい」

 みたいな感じで尋ねてみてはいかがだろうか。


「じゃあ、ここをもっと描写を分厚くして、ここは流しましょうか」

「主人公以外のキャラがしゃべりすぎな場面なので、削るか、主人公も登場させちゃいましょう」

「シチュエーションは面白いので直さないでいいですよ」


 といった建設的な意見が聞けるんじゃね?

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