生活

 毎日しんどくて生きてるのだけで必死だから。などと言えるほど必死ではない。むしろその困難さを前にぼうぜんとしつづけているだけだ。床の近くは空気がよどみ息苦しく天井に向かえば向かうほど澄んだ空気が吸えるとする。起き上がることができなければずっと悪い空気を吸い続けることになる。しかし起き上がることができないのはまさに悪い空気を吸っているゆえなのだ。とするとなんらかの偶然によって対流が起こって澄んだ空気がこの口元にやってくることを望むほかない。この偶然を待ちつづけるのが生活だ。

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