第6話 再会
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「"戦い"………だから負けても文句ねぇよな?」
口元を歪ませたまま、俺はジークロックに聞いた。
その問いに、ジークロックは笑って答えた。
「ハッハッハッ!何を言うか!もっちろんだぜ、兄弟!」
その事を聞いて、俺は安心した。
「じゃ、遠慮なく」
そう言った瞬間、俺は思いっ切り地を蹴った。
一瞬でジークロックの懐に飛びとんだ。
「は?」
まるで、瞬間移動と言わんばかりの
ジークロックも、何が起きたのか分からなそうだった。
そんな事をよそにそのまま、ダッシュの勢いを拳に込め腹に、
「ほい」
そんなふざけた掛け声と共に、思いっ切り一発を喰らわせた。
同時にジークロックは吹き飛んだ。
そう、一発喰らわせた。
………だけ、なのに
「ぐおあぁぁぁ!!!」
巨漢の見た目とは裏腹に、魔法障壁っぽいの諸共、物凄く吹っ飛び建物にぶち当たるジークロック。
建物が音を立てて崩れる。いや、砕け散ると言った方がいいかもしれない。
なんせ、中には粉になって
崩れた建物の隙間から光がいい感じに差した。これで脇道の周辺はハッキリとした。
そんな事より………こっちが。
「ふぇ?」
驚き過ぎて、変な声が出てしまった。
………いや、確かに………思いっ切り、殴ったよ?
…………一発、喰らわしたよ?
だけど、いくら何でも…………
「………大げさすぎでは…………」
いやな?自分が超人的な能力を持ってる事ぐらい知っているよ?
いや、だけどね?ここまで吹っ飛ぶもんかね?
ヤバすぎじゃね?俺。
「一発で………倒された」
「……噓だ…ジークロックさんが吹っ飛ばされるなんて!!」
「何なんだこいつ!おかしいだろ!」
こんな感じで外野は外野で、騒がしいしで何か面倒くさい。
ほっとこうとした時、視線の先で
………噓だろ?仮にも………俺の"思いっ切り"だぞ?
……まさか………いや、マジかよ。タフ過ぎだろ。
「あ゛ぁ~、いっだぁ~」
その"まさか"だった。
いや、マジなの?
「……化け物……かよ…」
その呟きを聞き取ったのか
「ふぅ~、やれやれ………兄弟に言われたくはなかったぜ」
いや、もうホントに何なの?
俺、驚き過ぎて表情筋が崩壊しそうだぞ?
「え?何?演技なの?」
思わず、真顔でそう呟いてしまった。
「え………演技で……こんな事………出来る…か?」
「あ……聞こえてんのか、んん~~、出来ねぇな」
いや待った!!
何、普通に質問に返してんの?!俺!!
いやさ?!ホントに何してんの、俺?!
どうしたのさ?!俺!!
………と、考えていると、周りから
「心配させんなよ!!!」
「さすが、ジークロックさん!!!」
「アンタもおかしいぜ!!いい意味でな!!」
やっぱり、
けど、ほっとく。
「まだやんの?」
一応聞いてみる。
「兄弟が強い事はよく解った。だが…………」
「なるほへ………終わってない……と」
そう言って、俺とジークロックは、同時に構える。
瞬間、また
「ぉおうぇ?!!」
聞き覚えのあるあの女性の声が、耳に届いた。
「こんな所で、何してんの?探したんだよ?」
★
「ほへぇ~、立派なお屋敷~」
僕の目の前には、白い壁に青い屋根のかなりおっきい洋館が建っていた。
建物自体が新しいのか、壁がツルッツルに光っている。
「でしょでしょ~♪」
何故か、
何でお前が誇らしげにしてんの?
お前はここに住んでるとかなんの?
とか、考えていると
「お帰りなさいませ、お嬢様」
いかにもな、高齢の執事が屋敷の中から出てきた。
ん?……待って?お嬢様?
「え?……は?………はぁぁぁぁぁぁ?!」
は?待って待って!………え?
「どう言う事?!この3日間で何があった?!え?!」
滅茶苦茶に戸惑ってる僕を無視して二人は、話を始める。
「ただいま~ユーティアさん、マイクルさんは?」
「お屋敷内におられるかと………」
「そ!ありがと!」
「お嬢様、そちらの方は?」
そんな事は、ぶっちゃけどうでもいい。
「変な薬でも飲んだのか?!何なんだ?!どうなってんだ?!」
「ねぇ、聞いてる?」
「頭が、おかしくなりそうだ!!3日もここにいるんだろ?!」
「聞けよ!!!」
本日二回目のチョップ(僕基準)が、炸裂した。
「ってぇ!!なにすんだよ!!今、忙しい!!」
「ほらっ!いくよ!!」
「何処に?!って引っ張るな!!」
ガシッと腕を捕まえられた僕は、そのまま
そのまま、屋敷の中に入る。
ドアをくぐり
「……本当に仲が宜しい様で………"異世界人"同士」
瞬間、白く美しい羽根をはばたかせた。
「おおっと、年甲斐もなく興奮してしまいました」
★
「お!ち!つ!い!て!」
「無理!!」
「なんで?!」
中に入ってから、早々にそんな会話をしている。
「ちょっとだけでいいから落ち着いて!!!」
「無理だ!!」
「ホントに!ちょっとでいいから!!!」
「今の状況、説明しろ!!!」
「分かった!分かった!!でも待って!!!先ずは、…」
そんな言い合いをしていると、
「おやおや?随分と賑やかで楽しそうじゃないか」
その小太りな、男性は顎をさすりながら「ほっほっほっ」と笑っている。
………何この人、めっちゃ優しそうな雰囲気がムンムンに出とる。
「あっ!!マイクルさん!探したよ~」
と、親しく話す
ダメだ。
「君が、
はい!こいつ怪しい!!
何でこいつ、僕の名前知ってんの?
隣で、
「はい……そうですが……」
「私の名は、マイクル・ローガンド・ウィスプ。よろしく、
「は、はぁ……」
めんどくさい事になりそうだ。
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