第126話 競技だからね?
ランクルサードに到着して三日目。
初日はお食事会で美味しい料理がいっぱい食べれて満足して。
二日目はスパーリングに誘われて練習試合。
明日には残り5ヶ国が到着するのでもう一回お食事会して。
そんでもって四日後にはトーナメントの予選がはじまるらしい。
結局あたしとデュークに、それとやっぱり国の代表ってことでもう一人執事のヨーゼフさんとあと数合わせで侍女さんが何人かついてきた。
ヨーゼフさんは白髪に茶色い垂れ耳でメガネをかけたちょっと渋いおじさまだ。
犬の獣人、なのかな? 黒の執事服を着てる姿はすごくスマートだけど、たぶん脱いだら筋肉がすごい系。
まあ対外的なことはなんでもお任せなのでヨーゼフさんが居ないとどうしようもない感じで、ほんと助かってる。
侍女さんたちは観光気分だけどね?
お国の面子的な理由で連れてきただけの数合わせだし。あたしたち別にお世話とか要らないし。いいと思うけど。
楽しそうなのはなんだか嬉しい。
初日のお食事会の時にも思ったけど、各国の魔王さまってとにかく美形が多いのだ。
特に今回の歓待役、このランクルサードのおひめさま? 魔王アルカさまったらたおやかでおっとりしてて立ち居振る舞いも優雅で。
生まれながらのおひめさま? って気がするくらいのお嬢様っぽい方だった。
まあ魔王さまなんだから戦う時は変わるのかもだけどさ。
っていうかあのあたしが見てたときの勇者と戦ってたのがてっきりあのアルカ様だと思ったんだけどな。
なんだかすこし違う。っていうか魔力紋が違う気がする。
にしても。
本番の前にもうちょっと身体動かしておきたい気がする。
最近まったりしすぎてたから、ちょっとあたしなまってる? そんな気もするし。
だいたいさ、トーナメントは競技だからね。殺すの禁止。って、あたりまえか。
流石にこの世界には死んじゃった人を生き返らせることのできる人なんかいないし。
ようは手加減してなおかつ相手を行動不能にしなくちゃ勝てないのか。そう思うとすごくめんどい。
なんだかんだ言って昨日のジョーカー様は強かったしね。
諦めてくれたから勝てたけど死に物狂いでこられてたらちょっとふにゃぁだった。
痛めつけるとかそういうのもね、趣味じゃないし。
土俵みたいにここから落ちたら負けとかそういうのがあるといいのにね?
どうやらそういうルールは無いみたいなんだよね。困ったな。
あうあう。
あたしって、ほんとこういうのに向かないな。そうも思うのだ。
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