第63話 女神の降臨。

 猫でいるのもめんどうだけどさすがにベースも無しに人の身体創造しちゃったらしまっておくのも大変?


(あ、できるんだ? って疑問はあるかもだけどごめんなさい。実はできます。出来るけどね……)


 人間の身体だと分解するのはちょと気が引ける。


 かといって心の入ってない身体放置はちょっと怖いよね?


 と思って自重してたけど……。


 でも喋れたほうが便利だし……。


 ということで。


 考えた結果ちっちゃい妖精さんサイズの猫耳レイア姿になることにした。


 これはマナのがわだけだから、さっきのミーシャの姿もそうだけどちいさいぬいぐるみみたいなもの。


 中にマナが詰まったぬいを操作してるって感じ。


 で、そのままレイアの周りをふよふよ浮かんでる。


 これはこれで、かわいいよね?




「もうほんとなんでもありね。ラギレス。それはそれでかわいいから許しちゃうけど」


「うん。ほんとミーシャすごいよね」


「まあ、ね……。だから両親にまでラスボスじゃないかって疎まれたのかもね……」


「なにそれ? そんなはなし初耳よ?」


 レイチェル、ちょっとほおに手をあてて首を傾げる。


 ん? だってみんなあたしを怖がってたじゃない。


「あたしのチカラってあまりにも規格外、じゃない? 人間じゃない、とか、魔王じゃないか、とか、そう噂する人もいたし……」


「ああ、それはあったかも。だからワタシに側で監視しろって話になったんだしね」


 ああ。通りで。


「ああ、やっぱりね。前教皇の娘のあんたがいくら世界を守る為だからって勇者パーティなんて冒険者まがいな仕事させられるのおかしいと思ってたんだ」


「まあね。でも、ワタシがずっと貴女のそばについて報告するにつれてね。そんな疑問もすっかり晴れた筈だったよ? 逆に神様、女神様の降臨じゃないかって話になってたからね? 魔王との対決でこの世界救った時なんか、自分を犠牲に世界を護った救国の女神って事になったしね? あなた」


「え? 女神って比喩じゃないの?」


「言葉通りの意味だよ? 今や貴女は女神として祀られてるから。教会に」


 うそ!


 って、それ、こまる……。


「まあほんとラギレスが神様じゃないかってのはワタシもそう信じてるくらいだから諦めて? ってそれくらいのチカラなんだって自覚して欲しいかも? ほら、貴女の創造魔法。あれ、本当に魔法? もう魔法のレベル超えちゃってない?」


 あうあう。


「それに、バーン様だって貴女のこと崇拝こそすれ疎むなんてことするわけがない。今じゃもう毎日貴女の像を拝みにくる敬虔な信者だよ? もうすっかりお年が召して、穏やかになってるけどね」


 ああ、そっか、お父様……。


 ってあたしの像?


 そんなのまであるの!?


「あっと、話に夢中で忘れてた。ラギレスにお願いがあったって言ってたっけ」


「あ、うんうん。ノワールに会ってって話?」


「そうそう。今、ノワ、北の大森林の奥に引きこもってるんだよね。だからちょっと心配で」


 え? 大森林の奥? って、ケンタウリ遺跡? あの魔道王国の?

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