第62話 魔法少女になる魔法。

 そういえばさっきまでの猫耳レイアの姿は七年前の最初に猫の姿からマジカルレイヤーした時と基本的には一緒。


 ベースがミーシャかレイアかの違いだけだし。


 このあたしオリジナルな魔法マジカルレイヤーって、実は遥香時代にテレビで観た魔法少女がヒントになってるの。


 華やかに変身する魔法少女。


 やっぱりさ、せっかく魔法が使える世界に生まれたんだもん。魔法少女にだってなりたいよね?


 だからそんなふうになれる魔法を編み出したって事なのね。


 自分の周囲にマナで形作ったレイヤーを自分自身に合成する事で、肉体的に超人化するのも狙いだった。


 やっぱりさ、ふつうの人間の身体って弱いよね。どれだけ鍛えようが熱にも弱ければ刃物にも弱い。


 簡単に砕け散る身体はやっぱりふにゃぁだから。


 いくら再生できたとしてもね?



 あ、もちろん戦闘服もとい魔法少女風な服になる事も可能。かわいいフリフリとか清楚なドレスとかその辺はあたしの想像力次第。


 けっこう色々バリエーションがあるかな。


 お気に入りの魔法の聖杖だって、この魔法少女っぽい衣装に合わせる為に創造魔法で作ったんだしね。


 だから。


 戦闘中は必ず使ってた魔法。それがこのマジカルレイヤーだったと言うわけ。


 今みたいにレイアと人格交換したりする為にある魔法じゃ本来はないんだけど。


 まあ。そういう効果もあるって事かな。




 でもレイアをずっと奥に留めておくのはかわいそうだし、こうやって猫の姿をマナで創るのもいいかもだよね?


 インナースペースは繋がったまま。


 あんまりレイアから離れられないけどね?





「にゃあ」


 あ、一つ問題があるとすれば……。


「あは、ラギレスがにゃあって。あははかわいいよこれ」


 レイアの頭の上にいるあたしを撫で回すレイチェル。


「ちょっと、レイチェルさん? あんまり頭の上でそういうことされると首痛いんですけど?」


 思いっきり迷惑そうな声でレイア。


「あ、じゃぁ」


 と、レイチェルあたしをヒョイっと抱き上げ。


「あ……」


「あは、かわいい。ねえこれちょうだい」


 そうあたしを胸に抱いて顔を埋める。



「だめー。ミーシャはわたしのー」


 両手を伸ばして抗議するレイアにきゃぁって笑いながら逃げるレイチェル。


 うきゅう。さすがにちょっとふざけすぎだよ?


 《って、あたしはものじゃありません! それに今はまだレイアのそば離れられないんだから!》


 と、あたしは二人に聞こえる様、念話を飛ばした。



 そう、今のこの姿の問題といえば、あたし猫語しか喋れないんだった。


 人の言葉は念話、テレバシーね? そんな感じで話さないとだからめんどうなの。


 ふにゃだよ。

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