第30話 この世界の裏側。
この世界。
この宇宙。
この空間っていうものは、ある一定の場に寄って形造られている。
エネルギーの場。
ちょうど釣り合った状態のそんな『場』というものそのものが、この何も無いと思われる空間の正体だ。
本当は何も無いなんて状態なんて存在しない。
何も無いように見えるそこここに、ちゃんとエネルギーは存在し。
物質が沸き、また消える。
そんな釣りあった状態の場の連続体。それがこの空間であり。
そしてそれはある種風船の膜のようなbraneという存在で、まあるく在るのだ。
そして。あたし達がいるこの空間のbraneには“裏”側が存在し、その世界の事を今のあたし達は『魔界』と呼んでいる。
その漆黒の闇に包まれた空間。
あたし達のいるこの世界の裏側。影。そんな世界。
そこが魔界。
今から訪れようとしている目的地なのだった。
え?
どうしてあたしがそんなSFみたいな話を知っているのかって?
それはこれ。
魔・ギア《サークレット》シルヴァ・メーティス
のおかげ。
一番最初にあたしの元に来たこの魔・ギア。
知識の記憶の書庫と物事の最適解を導き出すその演算処理がその権能。
直接攻撃するチカラこそないものの、あたしの頼れる相棒だったりする。
魔界に入るにはこの場所からじゃないとダメ、と、いうわけでも実は無い。
その位相さえ理解していれば直接転移する事だって可能だ。
向こうの世界で力尽きたノワ達をこちらに強制的に転送したのもそう。
空間の位相をコントロールする権能を持つ魔・ギア。
《エンジェルウイング》アウラ・フェザー
その権能はあたし自身の移動、転移、だけでなく、周囲の空間をコントロールする事が可能だ。
あたしは実は向こうの位相も理解しているから、そのまま『跳ぶ』事だって不可能じゃあなかった。
だけど。
様子もわからない場所に無理やり跳ぶこともないしね?
こうして手順を踏んで。
この古の魔道王国の遺跡。魔界の門までやってきたのだった。
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