第31話 アトラスの右手。
魔・ギアの権能っていうのは言うなればあたしの能力の補佐、だ。
チカラの方向をうまく整えてくれたり、コントロールしてくれたり。
固有能力固有技もあるのもああるけど。
どちらにしても魔・ギアを使う為にはあたしの魔力が必要なのだ。
まあ。
魔・ギアが無かったら全く転移が出来ないとかそういう話でもない所が微妙なんだよね。あたしのチカラって。
実はあれ、原理さえわかればギア無しでも出来ない事はないの。
でも、まぁ脳内で完全に演算処理できないとどこに跳んでいくかわかんないから危険だからもしできても使わないでね?
そうノワには念押ししてある。
別の異世界に跳んで行っちゃったりしたら、戻ってくるのきっと大変だし。
メーティスの書庫を漁って調べた結果だと、世界ってほぼ無限にたくさん存在するらしいの。
似たようなパラレル世界も多いみたいだし、過去にもそんな異世界に紛れ込んで帰れなくなっちゃった人って多々存在してて。
浦島太郎のおはなしだって、あれ、行った先が遠い宇宙で浦島効果で年月が素っ飛んだとかいう結論になってたけど、
もしかしたら竜宮城は異世界で、戻ったのがパラレル世界。時間軸がちょっと違ってたってのがもしかしたら正解かもしれないしね。
タイムパラドックス物の時間移動だって、結局戻ってくるのはパラレル世界。
そりゃあ、よく例であるようにもしも両親殺しちゃったら自分が生まれるわけがないもん。
辿り着いた過去がもう既にパラレル世界だってことでファイナルアンサーだよ。
で。
この湖の底にある魔界の門にたどり着くにはまずこの大量の水が邪魔だよね?
水に浸かって潜って行くのもね?
ちょっとふにゃぁ?
あたしは右手に真っ黒な《グローブ》
アトラス・ゴッドハンドを装着する。
その権能の一つ。重力操作を発動。
全ての水を上空に吸い上げ待機させ。
「さあ、行こうか。ノワール」
そうノワの手を取って底の穴、魔界の門まで歩いた。
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