第12話 魔・ギア。
気持ちのいい夜風にあたりながら、あたしは夜の空を飛び回って。
くるくるまわって。真っ白のワンピースがふわふわ回る。
あはは。
あたし、生きてるよね。
うん。
なんだかすっごく嬉しくて。
なんだかすっごく楽しい。
一応認識阻害のマジックアイテムは持ってたからそれを起動して。
だって、こんな猫耳でシッポもあって真っ白なワンピースの美少女が空に浮かんでたら、そりゃあみんなびっくりするもんね。
あ、自分で美少女っていうの変?
でも、ほんとのことだもん。いいよね?
あ、でも、そういうことなら……。
アイテムも何もかもちゃんと持ってるってことなら。
魔・ギアもちゃんとあたしの中にあるって事だよね?
それとも……。
死んじゃったことで所有者じゃなくなって、あたしから離れていっちゃったのだろうか?
魔・ギア。
太古の魔道王国時代の遺産って話なんだけど定かじゃない。
なんと言っても今現存する魔・ギアはそんなに多くないみたいだし。
前世で魔物退治に駆り出されている時に、ダンジョンボス倒したりしてたら稀に落ちてきたんだけど、これ、魔力を選ぶんだよね。
強い魔力を好むみたいで、ギアの方が所有者を選ぶって感じ?
一度選ばれたら手放しても勝手に戻ってくるからしょうがなく、だけど、
あたしは全部で七つの魔・ギアを所有してた。
そのうちの一個、マギア・キャッツアイは前世の最後の戦いで空間の修復と魔界とこの世界の穴を塞ぐ結界のために手放した、筈……。
って。
あるよ。
七つ、ぜんぶ、あるよ……。
と、いうことは、だよ?
うきゃーーーー。まさか、魔界の門の結界、もう無くなっちゃったって事?
まずいまずい。それってすごくまずい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます