泣いた青鬼

これで良かったのだ。

青鬼は、あの友達の事を考えていた。


もう二度と、会うことは出来ないだろう。仕方ない。アイツは、鬼に向いていなかったんだ。

人間と一緒に暮らしたいと言われたとき、別に驚きはしなかった。ただ、いよいよ言い出したと思っただけだった。

たた、最初は何とか止めさせようと考えていた。でもアイツの決意は固く、結局最後まで手伝ってしまった。少し騙す様な形で、別れも言えなかったが仕方ない。


アイツだってよく分かっているはずなんだ。

鬼の性を忘れたら、長くは生きられない。今頃は大分弱っているはずだ。もしかしたらもう……

そう考えると、自然と涙が溢れてきていた。


きっと、俺もそう長くは無さそうだ……

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