幕間
医療室にはエクスバースと療養中のエクステラがいた。
「起きたか。ハハハ、お前、ついに倒れたな。どうだ、初めての治療は。」
「うぅ~。エクスバースちゃんのせいだからね。私が落ち込んでたところを撮ったでしょ。」
「アハハ、すまないな。やっと掴んだお前の弱みだからな。」
「うわぁ、くらくらする。ほんと変な気持ち。」
「今回ばかりは私の勝ちみたいだな。」
「エヘ、エヘヘヘヘ、エヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ・・・」
「うわっ!お前、ほんとに大丈夫か?」
エクステラはまた気を失った。
「それでもお前が抱えていた問題は分かった。最近、強く当たってごめん。ゆっくり休めよ。」
有間の部屋で、有間をエクリールが訪ねていた。
「兄さん!」
「どうした?エクリール。俺は和室に行く予定なんだが…。」
「兄さんは私のことを思って自由にさせてくれてるの?」
「お前はどうだと思う?」
「昨日、末離から聞いたんだ。怒りは人のためになるって。」
「そうだ、怒りがなければ人は他と交流できない。怒りは人の中と外をつなぐものだ。その代わりコントロールが難しいんだ。だが、お前にはできる。そう信じてるからお前には自分らしくいてほしい。」
「兄さん…。私はそんな兄さんのことを考えずに…。」
「言っただろ。自分らしく生きてくれ。俺のことは考えなくてもいい。」
「…でも!
「お前が俺のことを考えてくれるならそれでもいい。お前が本当にそう思っているなら、な。それじゃあ、俺は和室に行くぞ。」
「…!兄さん、私は!…私は兄さんに!」
その時には有間はいなかった。そしてこれからは自由と言ってもなるべく兄にも迷惑をかけないようにしようと決意するエクリールだった。
その後、和室で有間はミロクと話していた。
「で、そんなありえないような可能性があると?」
「ああ、断言はできないが、これまでの軌跡が重なる可能性は無に等しい。それに今までこんなことはなかったんだ。…この先、いくつかの可能性が絡まっていることなんて。」
「可能性が絡まる…か。確かにそう解釈できるな。よし、これから気を付けるよう注意を促そう。」
とある場所にて
「ここが例の場所か…。こちらもそう変わらないように見えるな。さて、ここでは成功するかな?お前のコンディションはどうだ?」
「…特に何もない。そう何も…ね。」
変わった者は不変を求めた。
また別の場所では
「え~と、これに、これとこれを持って…。よし!準備完了なのです。あの伝説の兄妹がここに…、ワクワクです!私も早く会ってみたいのです。」
これから始まろうとするのは透明な運命と壊れた運命の歯車。それらが奇跡の歯車とかみ合う物語である。
虚~ホロウ~Project3ー逆巻く可能性と虚無の未来ー へ続く
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