未波編 おまけ

未波が来た翌日、有間はお仕置きとして未離とエクステラの体だけを石化させ、拘束していた。

「さて、今日一日はその格好で反省しろ。」

「う~、もう嫌だ~!」

「…なんでここなんだ。」

エクスバースは研究室に二人を拘束した有間に不服があるようだ。

「いいだろ?見せしめにもなるからな。後はちょっとしたエクスバースへのお仕置きだ。」

「はぁ、別にいいが未愛はどうする?いつも面倒見ているオリジナルも拘束しただろう。」

「その辺は俺がやる。家事はクリームに任せる。」

その時、クリームが現れた。

「ふぇえ!今でも精一杯なのにまだ増やすんですか!」

「がんばれ!もしも出来たらケーキをたくさん用意するぞ。」

「えっ!分かりました。身が砕けても頑張ります!」

その後クリームは消えた。

「な?できるだろ。」

「…。まぁ、私は知らないよ、もう。」


未愛は部屋で未離を待っていた。そこに有間が来た。

「お、お父様!」

「今日は未離が動けないからお前の面倒は俺が見る。」

「へ、へぇ…。」

「だから、そんなに怖がるな。うーむ、何か教えてほしいことはあるか?」

「え、えーっと。料理かな。」

「おう!任せとけ!」

…………………………………………

「で、これを食べろと…。」

呼び出されたヤミが言う。

「うん、俺と未愛の共作だ。」

「ふーん、なら少しは安心だな。」

ヤミがそれを口にした瞬間、ヤミは気絶した。

「……おーい、エクスバース。急患だ。」


「うーむ、やっぱり料理下手な俺と未離から生まれた未愛も料理下手か…。」

「お、お父様。そんなに落ち込まなくて大丈夫です。あ、そうだ。クリームさんの家事を手伝いたいです。他にもクレープさんのお皿洗いとかお皿運びとか。」

「そうか。」

「ありがとう、未愛さん。お部屋のお片付けを手伝ってくれて。」

未愛は、末無の部屋を掃除していた。

「あれ?この十字架って何ですか?」

「あぁ、それは聖女だった時にお守りとして持っていた十字架のアクセサリーだ。懐かしいな。」

「すごくきれいだね。」

その時、末離が来た。

「末無お姉ちゃん、遊びに来たよ!」

「あ、末離ちゃん。これ見て!」

「あっ!未愛さん、今の末離にそれは…!」

その瞬間、末離はその場で崩れた。

「あれ?右足に力が入らない…。」

そのまま末離は気絶した。

「未愛さん、今の末離は半分悪魔だから十字架なんて見せたらだめ!」

「ご、ごめんなさい!」


「未愛ちゃん!お皿運び頼むよー!」

「はーい。」

未愛はクレープのところでお手伝いをしていた。その時、未愛の手から皿が落ち、たくさんの皿がクレープに落ちた。

「へ?」ガッシャーン

「ご、ごめんなさい!だ、大丈夫ですか?!」

クレープは完全に気を失ってしまった。

「このお風呂広いから未愛さんが手伝ってくれて嬉しいよ。」

「どういたしまして。」

未愛は大浴場でクリームの手伝いをしていた。

「あ、足元すべりやすいから気を付け…」

「わっ!」

前に進みだした未愛の足が滑り、後ろにいたクリームに倒れこむ。

「ごめんなさい!」

クリームは既に気絶していた。

「ほ、本当にごめんなさい!お父様。」

「お前はまだ経験が浅いからな、失敗しても大丈夫だ。」

「本当ですか?」

「まぁ、俺は怒っていないが、エクスバースはどうだろうな…。」


「いててて、本棚に頭ぶつけちゃった。」

エクルは治療を受けに行く。廊下にエクスバースがいた。

「あれ?エクスバース。何しているの?ちょうど今から治療してもらおうと思っていたところだからお願い。」

「…。本当に入るのか?」

「う、うん。」

「いいか、絶対に笑うんじゃないぞ。」

「え?」

…………………………

「そろそろ包帯を巻きなおさないと。」

エクリールは自室にいた。

「おっと、もう包帯がないのか。仕方ない、エクスバースからもらうか。」

廊下に出るとエクスバースとエクルがいた。

「ん?二人して廊下にいるなんて珍しいな。」

エクスバースはため息をつき、エクルは顔を押さえている。エクスバースが答える。

「エクリールか。どうした?」

「包帯をもらおうと思って。」

「あ、あぁ、包帯は療養室の中にあるが…。部屋を見て笑うなよ。ちなみにエクルはここで笑いをこらえている。あの真面目モードのエクルですら、な。」

「そんなにひどいのか?」

「ああ、見ればわかる。」

扉を開けた。部屋にはたくさんの気絶者やなぜか囚われている二人がいた。扉を閉めた。

「…どうしてこうなった。」

「有間が未愛を手伝わせたせいでたくさんの犠牲が出た。」

「なるほど、な。まぁ、包帯はなくていいよ。私はこの似つかわしくない可愛らしい手を包帯で隠しているだけだからな。」

「ああ。分かった。」


「やっぱり、私には才能無いのかな…。」

「うーん、そうじゃないと思うが…。」

食堂で有間と未愛は話していた。

「おまちどうさま。…どうしたの?悩み聞くよ。」

クレープがいないので食堂ではヨミが料理を作っている。

「ヨミちゃん、あのね。私、誰かの役に立ちたいのに迷惑ばっかりかけて…。」

「ふーん、未愛ちゃんってそんなに役立たずなのかな?私、そうは思わないよ。誰もが存在する理由がある。特に未愛ちゃんなんてそうでしょ。ね、有間さん。」

「ああ、未愛は元々この空間を安定させるため、未離に負担をかけないために創った。存在しているだけで俺や未離は感謝しているよ。」

「お父様…。」

「だから、これからもかわいい娘としていてくれ。」

「…!」

未愛は突然走ってどこかへ行ってしまった。

「ふふっ、有間さんってお師匠様に負けないくらい優しいですね。」

「ヨミ、あいつと比べられてもなぁ。あいつはあいつで辛い過去を持っているから他人への気遣いができるからな。」


未愛は地下に行っていた。

「お父様が…、お父様がかわいい娘って言ってくれた。ふふふ。」

「…そこで何してるんだ…。」

「ひゃっ!…え、エクスバースさんか…。あれ?いつも部屋にいるエクスバースさんこそ、なんで廊下にいるんですか?」

「い、いや…。いたいからいるだけだ。(有間がお仕置きでオリジナルを拘束してることがばれたらまずいな…。)」

「ふーん、そっか。お父様が…」

「い、いやいや!別にオリジナルを有間が閉じ込めてるとか隠してないし!」

「ふふっ、ひっかかった。」

「あっ!」

「大丈夫、今日は何もしないから。」

「そうだったらいいけどなぁ。」


次の日

「さて二人とも。ちゃんと反省したか。」

「「は、はい…」」

「ならよし。」

「…有間。」

「なんだ、エクスバース。」

「二人を閉じ込める必要なんてあったか?私の知っている限りの知り合いなんて未波しかいないと思うが…。」

「あっ…。あ、そうだ。解放するから、後はエクスバース、頼む!」

「あっ!ちょっと…」

有間はいなくなっていた。

「とんだ無駄な一日だったな、2人とも。」

エクスバースは二人を回復させた。

「はぁ~、助かったよ。エクスバースちゃん。後で抱きついてあげるね。」

「それは断る。で、どうだ、オリジナル。」

「ふぅ、エクステラちゃんのせいだからね!」

「ガーン…そんなぁ、未離ちゃんまで…。ぐすん、末離ちゃんに慰めてもらおう。」

「末離なら今はダウンしてるぞ。」

「えっ、……………」

「だ、大丈夫?!エクステラちゃん!」

「エクステラは私が看るからオリジナルは有間と未愛のもとへ行ってやれ。きっと驚くよ。」

「そ、そうなの?じゃあ、エクステラちゃんをよろしく。」

「ああ、任せとけ。」


未離が部屋に向かうとそこで作業している有間の近くでフォローしているのは未愛だった。

「お父様、コーヒーを用意しますか?」

「ああ、頼むよ。未愛。」

「……………。」

未離は驚いて、あぜんとしていた。

「あ、ママ。おかえりなさい。」

「……………!」

未離はうつむいた。

「あ、あれ?わ、私、ママを怒らせるようなことしました?」

顔をあげた未離は泣いていた。

「未愛ちゃん!一日見ない間にお兄ちゃんとしっかり話せるようになって…!ママは感激だよ!」

「え、えっと。あ、ありがと、う?」

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