第5話



「すいませ~ん。水道局の者なんですけど」


「はい? 」


「すいません。水漏れしてませんかね。下の階の人から連絡がありまして」


「いや、してませんよ。家じゃないんじゃないですか? 」


 視線が外れた隙に男にスタンガンを当てる。

 

 痙攣した男が倒れたので家の中に入った。

 

 洋は男の体をガムテープで縛っていく、

 

 ちょうどいい大きさになった所でスーツケースの中に押し込んだ

 

「さて、何かないかな? 」


 木崎は家の中を物色しだす。

 

 あちこち開けて回ると戻って来た時には梱包が済んだ後だった。

 

「いまいち何もなかったぜしけてやがる」


 そう言って現金をポケット突っ込んだ。

 

「よし、じゃあ行くか」


 木崎の後をついて行く洋

 

 ガラガラガラと音を鳴らして歩く洋。

 

「うるせえなやっぱり、ちょっと待ってろ」


 木崎はそう言ってどこかへ行ってしまう。

 

 10分程して戻って来た木崎は車に乗っていた。

 

「後ろに乗せろよ」


 洋は言われた通り後部座席にトランクを乗せると助手席に座った

 

「ちょっとドライブだ」


 木崎が車を運転している間、洋はうっかり寝てしまう

 

 車の中は暖かくて睡魔に襲われたのだ

 

「おい、洋。起きろ。着いたぞ」


 木崎の声で起きた洋は辺りが真っ暗だった。

 

「すいません、先輩」


「いいよ、お前は力仕事ばっかりだったからな。


 まあ、今からも力仕事なんだけどな」

 

 洋が穴にスーツケースを落とすとケースがゴソッと動く

 

 洋はスコップで土をかける

 

 ザッザッザッザッザッザッ

 

 ザッザッザッザッザッザッ

 

 ザッザッザッザッザッザッ

 

 単純作業を黙々とこなし

 

 スーツケースを埋め終わった洋は一息ついた。

 

 


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