第5話 白の真実
あれ以来、ミコは少し口数が減った。
「今日は勉強の日だから、準備するね。」
ピンポーン
「はい、今開けます。」
扉を開けるとそこには先生ではなく、以前の占いの人がいた。
「お邪魔するね。」
「え…あ、あの〜」
「あ、そうだ。私はね、あなたの家と面識があってね、今日の勉強は特別に私がやることになったの。」
「えっと…」
「あ、そうか。コホン…今回は我が引き受けることになった。」
「あ、はい。」
この人の雰囲気が変わりすぎてポカンとしていたが、ふと我に返った。
私はお茶を用意した。
「雰囲気が落ち着かないのは昔からの癖でね。」
この人がいるせいでミコは黙りきってしまい空気がすごく重かった。
「私の名はミロク。まぁ、言うなら元々僧だった。さて、これから言うことは信じられないかもしれないが…勇気はあるか?」
「ミコと仲直りしたいから、全部教えて!どんな事でも受け止める。」
「そうか…。では、まず虚無という概念を司る虚無の女神からだな。」
虚無の女神は私のように白い髪に赤い目の見た目から選ばれる…等々難しすぎて理解出来なかった。
「はぁ…ややこしいなぁ。」
「そうだな。特に問題は無いってだけだ。」
「ほへぇ…」
長い長い説明に私は気が抜けかけていた。
「では、私はもう失礼させていただく。あと…だ」
ミロクはミコを見つめ言った。
「これがイレギュラーで良かったな。私が見てきた無数の可能性の中でもかなり稀だ。お前はどっちを受け入れるか…」
フッと笑いながらミロクは帰っていった。
(ミコト…)
「大丈夫。ミコがどんな存在だって私は大歓迎。妹ができたみたいで私の心の拠り所だから。」
(私も寂しかった…から…。その…ミコト…お姉ちゃん…?)
「今、お姉ちゃんって言ってくれた!良い子はなでなでしちゃうぞ。」
ミコを撫でたミコトは笑いつつ涙を浮かべていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます