第4話 白のお出かけ

「今日はミコと一緒にお出かけしようと思うの。」

私はいつも部屋にいるミコと一緒に買い物に行きたかった。

(だめ、この姿見られるとだめ。)

と言われていつも断られてしまう。でも今日は一緒に楽しみたい。

「そうだなぁ。じゃあ、変装してでもいいから、ね?」

(…行かないとだめ?)

「うん、私悲しんじゃうよ。」

(分かった。仕方ない。)

黒い服を着て、フードを被ったミコを連れて行った。


「どう?多分周りには姉妹にしか見えないと思うよ。」

(注意する。私と似た人に見られるといけないから。)

「え?そんな人少ないと思うけど…今は楽しもうね。」

私たちは沢山の場所に行って楽しんだ。

「最後にね、占い屋さんに行こうと思うの。」

(占い?)

「うん、私達の未来を占ってもらうの。」

そして、占い屋に着いて中へ入った。


中には和風の着物に笠を深く被った人がいた。

「さぁ、そこへ座りなさい。」

私たちは座った。

「お前たちが何を知りたいかは分かっている。お前達の存在もな…」

驚いたミコはその場から逃げ出そうとしたが、透明な壁によって遮られた。

(あ、あなたは…もしかして…)

「まぁな…我には可能性が見える。それは無限に広がるが、その全てを見ることが出来る。」

「え…どういうことなの?」

「こういうことだ。」

彼は笠を取る。その姿はミコとは少し違うが白い髪に赤い目…そっくりだった。

「お前は知らないだろうが、彼女には分かる。」

(バレた…)

「まぁな、お前の存在も目的もな。安心しろ、それがこちらに分かった所で変なことは起きない。」

「どういうこと…なの?」

「こんな所で教えるのもあれだからな。今日は帰ってもいいぞ。」

ミコは全速力で帰っていった。私は彼に一礼をしてからミコを追いかけた。

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