第2話 白の安らぎ

(おはよう、ミコト…)

私が起きると私より幼い白い髪の女の子がいた。

「もしかしてミコなの?」

(うん、力も回復してきたからしっかりした体を保つこともできるようになった。ミコトのおかげ…)

「大丈夫だよ。私こそ妹が出来たみたいで嬉しいよ。」

ミコは真剣な顔をして私の前に立った。

(私がミコトに頼みたいこと、沢山ある。)

「何をすればいいの?」

(白い影を倒すこと、それだけ。)

「敵を倒すの?やった、昔からそういうヒーローみたいなの憧れてたの。なんかこう魔法少女(?)みたいなのは小さい頃好きだったなぁ。」

(ミコトは巫女なのにそんなのが好きだったの?)

「うん、これでも修行とかは数年前からだからね。小さい頃はそのまま巫女になるのが夢だったの。魔法少女みたいに敵を倒してみんなを助ける、なんてね。でも、可愛い服に変身なんて出来ないよね…」

(できる。私、出来る限りミコトを喜ばせてあげたい。)

「本当に?早速やろうよ。」

そうするとミコは私に抱きついた。ミコが徐々に私の中へ入っていく。それは身体中の感覚が無くなって、すごくスッキリするような感じだった。

「あれ?」

目覚めると視線が低くなっていた。それに白くて長い髪、それはさっきまでのミコの姿だった。

(ごめんね、体はこうじゃないと上手く力が出ないの。でも、何か変えて欲しいことがあったら出来るかもしれない。)

「えっとね。なんでもいいの?」

(髪と基本的な見た目以外なら動物の耳とか尻尾だって再現できる。何か好きな動物いるかな?)

「うさぎがいいな。うさぎの耳とかしっぽ可愛いし、あと巫女服にして欲しいな。」

(分かった。)

「あっ、耳が変な感じ…」

私の耳が形を変えて頭の上の方に移動した。

「んっ…お尻も変な感じ。」

お尻の上辺りに違和感を感じた。でも、徐々にそれは馴染んでいった。

私は鏡で自分の姿を見てみた。

「すごく可愛い!ありがとう!」

ふわふわなしっぽに触ると凄く気持ちよくて変な気持ちになった。

「ところでこれでどう戦うの?」

(ミコトが考えている武器とか攻撃が何でもできる。)

「ふ〜ん。でも、ミコって凄いよ!どうしてこんな力があるのに私なんかに頼るの?」

(それは…今は話せない。でも、いつか…)

「そうなのね。それでも、私は嬉しいよ。ありがとう。」

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