第22話 真っ向勝負!!
9回裏、1点のビハインドを背負った六甲タイタンズの攻撃。同点のランナーを一塁に置いてバッターは代打、真浦道太。ここで真浦に一発でれば2-3で逆転しタイタンズは対グレイツ三連戦を勝ち越しで決めることができる大事な場面だ。
渋川がピッチャープレートの一塁側の端を踏んだとき、球場全体が水を打ったかのように静まり返った。
真浦に向かってわざと握りを見せる。
クロスファイアの予告投球だ。打てるものなら打ってみろと言わんばかりだ。
足元の土を跳ね上げ、渋川の右足が高く舞う。
軸足にためたエネルギーが着地した右足、腰、左腕へと伝達され、引き絞った矢のごとくボールが放たれた。
対角線上に投げ下ろされたボールは唸りをあげて真浦の懐深く抉るように飛び込んでゆく。
真浦の目が光った。
コンマ0秒の世界のなかでボールの軌道がはっきり見えた。
腰の捻りとともにバットを振り下ろす。
バットの芯に確かな手応えを感じ真浦は叫んだ。
魔羅道打ーーーッッッ!!!!!!
第23話につづく
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