第37話 ワクチン接種申し込んでみた件(ただし自分ではない)
GW前、「ワクチン接種の申し込み書類が届いた」と弟から連絡を受け、実家に足を運びました。もちろん母の分だけで、私たち一般人の分は残念ながら匂いすらまだ漂ってきてはいません。
市から届いた手紙によると、
予約開始/GW中
接種開始/GW明けしばらくして
とのこと。こちらは全て、集団接種のスケジュール。
民間の医療機関での個別接種は5月末からの予定、と書かれています。
先日、弟が母の通院に同行し、かかりつけ医にワクチン接種について相談してきていました。その時、まず聞いたこと。
集団接種で早く打つ方がいいか、
それともかかりつけ医で打てるようになるまで待っていても大丈夫か。
かかりつけ医の回答は、
「会場まで連れていけるなら集団接種に。早く打っておいた方がいい」
だったそうです。というのも、
「自分の所で打てるようになるまでの道筋が行政側からまだきちんと示されていない」
からだそう。
医療従事者である彼らは当然、接種を受けているそうですが(回数は聞いていない)、お世辞にもその段取りがいいとはドクターの目には映らなかったらしく。
「そもそも明確な日時が書かれていないのだから、現在示されているスケジュール通りに運ぶとは限らない。遅れることも十分に考えられる。だったら少しでも早く接種できる手を打っておいた方が安心でしょう」
とのことでした。
ということで、かかりつけ医の勧めに従い、集団接種を申し込むことに決めました。予約係は私の担当。その理由は、
①私のスケジュールを優先するため。
ワクチン接種で万一、副反応が出たらと思うと怖いです。接種当日とできればその翌日の2日間、極力母をひとりにしたくはありません。
集団接種会場が母には縁のない場所だった為、ひとりで往復させるのも無理がありそうでした。それなら接種会場までの送迎かたがた、そのまま私が付き添っているのが一番と判断したのです。
②2種類の予約方法に対応するため。
今回の予約方法は、
1、フリーダイヤルからの電話と、
2、QRコードからアクセスしてのWebサイト利用の2種類。
母はスマホを持っていますが、Webサイトからの予約は自分ではできません。
予約当日、申し込み電話が殺到するでしょうから、Webサイトを使わないことは考えられません。それなら両方、私がするのが手っ取り早いかと。
そんな訳で、届いた書類をスマホのカメラで撮って保存し、当日に備えました。
📞 📞 📞 📞
さて、当日です。
目の前に用意するのはまず、以下の2種類の数字。
①申し込み番号(本人を識別するために割り当てられた番号。書類に記されている)
②ID(本人の生年月日。西暦表示の8桁)
スマホ/Webサイトにアクセスする&電話するため
パソコン/状況確認用
固定電話/フリーダイヤルにひたすら電話
時計/スマホでも確認できますが、視認性が高いので
カレンダー/予約を取る時に日時を選びやすいように
あとは、長期戦に備えて、本とおやつとコーヒー。
これだけあれば、午前中で片が付く戦いならまず問題ないでしょう。
チンチンチーン。
ゴングの音と共に、戦いの火蓋が切って落とされました。
早速、電話をかけるも、無情にも
「この電話は現在、大変繋がりにくくなっております。申し訳ございませんが、しばらく経ってからおかけ直しください」
とNTTのお決まりのメッセージが流れています。
めげずに適当に時間を空けてからリダイヤル→
スピーカーフォンから流れる相変わらずの定型文→
切って、ため息。振り出しに戻る→
固定電話とスマホの両方で、この操作を延々と繰り返します。
いわゆるひとつの無限ループ二刀流。
スマホでは、電話の合間にさらにWebサイトにもアクセス。
こちらも事情は電話と同じ。音声の代わりに文字になるだけです。
さて、結局、どれくらいで繋がったと思いますか?
答え/2時間後⏰
ようやく入力画面が表示された時は、思わず目をこすっちゃいました。
それまでは「申し訳ございません」ばかりでたどり着けなかったんです。
電話もずっとNTTに慇懃無礼にお断りされていました。
でも、ただ繋がっただけで、終わった訳ではありません。
ここからが本番です。
震える手で、入力を進めます。
まずは上記の2種類の数字、そちらから。
次いで、連絡用アドレス。
入力すると画面が変わって、必要事項の選択に移ります。
①接種会場(いくつか選択肢がありました)
②希望日(カレンダーから選ぶ)
カレンダーに表記された接種可能日は、5月半ばから6月1週目までの週4日。
ということは、申し込める日にちは、4日×3週間分=12日分。
意外に少ないです。
しかも。なんということでしょう。
予定していた会場では、既に今月分は全部埋まっているではありませんか。
せっかく繋がったのに予約枠が全部なくなっていたらどうしよう、とざわざわする気持ちをなだめつつ、カレンダー上部『翌月』の矢印をすがるようにそっと押すと。
6月1週の4日間の予約枠、その全てがまだ『◯』のままだったのです。
ホッとして体中の力が抜けました。
と同時に、慌てて予約に移ります。ここでもたもたしていて万一、目の前であっという間に埋まって取れなかったらシャレになりませんから。
カレンダーの中から希望日を選ぶと、その先に時間枠が表示されました。
各時15分刻み、12時~1時は昼休みのようで予約枠は無し。
全ての枠が◯だったので、午前中から選びました。
これで終わりかと思いきや。
なんと、「この予約と同じ条件(会場&曜日と時間枠)で良ければ、2回目接種を3週間後に自動予約できます」との文面が!
おお。なんとありがたいことでしょう。
2回目も同時に予約できるとは思ってもいなかったので、ほくほく顔です。
無事、全ての入力を済ませ、確認ボタンを押すと、「登録アドレス宛てに確認メールをお送りしました。変更が必要な場合はそちらからお願いします」とのメッセージが表示されました。
すぐにメールボックスを確認した所、たしかに2回分の確認メールが届いていました。内容も入力した通りで、間違いはありません。
カンカンカーン。
勝利の鐘が鳴り響き、試合は無事に終了したのでした。
📞 📞 📞 📞
さて、今夜の話です。
食事の支度をしながらテレビニュースを聞くともなく聞いていると。
「高齢者向けワクチン接種申込みが今日、各地の自治体で受け付けされましたが~」と流れてきました。
耳をダンボにしていた所、どうやらどこでもアクセスするのに大騒ぎだった模様。
気の利いた自治体ではWebにアクセスできない高齢者のために自治体職員が入力の手助けをしているという話が流れたり、かと思えばWebでも30分程で早々に規定数に達してしまった自治体の話など、悲喜こもごもだったようです。
しかも、数字は忘れましたが、2回目まで接種が済んだ医療従事者もまだ少ないようです。現在、1回接種した高齢者の人数は1%にも満たないとも。
2回目まで予約が完了したのは、どうやらとてもラッキーだったようです。
そんな訳で。
高齢者だけでも、まだまだ当分は大変そうです。
現在の予約は主に後期高齢者が対象で、それ以外の高齢者はこれからの予約が大半でしょうから。
ということは、我々、一般人まで回ってくるのは一体いつになるやら。
そして、その時の予約はどうなることやら。
今回、予約をした身としては、もっといい方法がないものかと思わざるを得ませんでした。
GW明けから、予約のために電話の前に座っていた同士がいらしたら、「お疲れ様でした」の気持ちを込めて、エア盃を。そして、これからお身内のために
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