第21話 筋肉


立ち仕事をしていると、お尻が万有引力の法則に従っているのを必要以上に実感するようになってきました。

椅子に長く座っていると、お尻が痛むようになってきました。



……ひとえにお尻(だけではもちろんない)の筋肉が落ち、脂肪が増えたせいです。




お尻の主な筋肉は大臀筋だいでんきん。体の中でとても大きな筋肉なんだそうです。

この筋肉、お尻の見栄えを大きく左右し、歩いたり走ったりといった日常動作と深いかかわりがある為、鍛えておくことはとても大切と言えるでしょう。


では、どうしたら鍛えられるか。

エクササイズとしては、スクワットやバックキックなどがあげられますが、一番は、体を使うことなんだと今回、痛感しました。

単純に、現在、運動不足ということです。


体を動かすのが嫌いな訳ではありません。

一旦、外出すると2万歩近くなっていることもザラです。

が、いかんせん、コロナ自粛が大きかった。

出かけなくて済むように極力、努力していましたから。

しかも今年、天気が良くない日が多かったせいもあり、自転車好きの私が車を使うことが増えたのも運動不足の理由に挙げられるでしょう。

毎日の暮らしの中で、少しずつ運動する余地を減らしていたことが招いた事態、

と言えそうです。



だとするなら、これからは生活の中で体を使うように仕向けなくてはなりません。


掃除などの家事をサボらない、とか(アイタタ)

歩く、走る、自転車で出かける、とか(いまだにランニングを再開していない)

トレーニング要素を家事の中に折り込む、とか(ドSセンセイに言われた)


分かっててもすぐ意識から抜け落ちちゃうのが我ながら残念ですが、まあ、頑張ってみます。




同じように、カクヨム。

ちょっとサボると、書き方、分かんなくなりません?

分かんなくなるというか、文字がうまく走らないというか。



書く、と一言で言ってもですね、

長い話と短い文章、書く時に使う筋肉が違う気がするんです。


長い話が、マラソン系の持久力を要求される遅筋だとすると。

短いのが短距離系の速筋。

こんな風に私には思えるんです。

以前は毎日更新を自分に課していたので、その分、短く書こうと心がけていました。

今は週イチが目標なので、少し長く書いています。

で、ですね、この2つ、書き方が自分の中では完全に違います。

今、前の文章量で書こうと思っても、多分すぐにはうまく文字が動かせない。

使ってなかった筋肉を動かすような感じになると思います。




短いのと長いのと言いましたが、

本当の長編は現在、私にはないので棚上げさせて頂くとして。

それとは別に、

ちょっと特殊だなあと思うのが、ショートショートと、ノンフィクション。

これ、どちらも大好きなジャンルなんですが。

どちらも書き手の方って少数派ではないでしょうか。



ショートショートって言うと、すぐに星新一さんの名前があがるかと思います。

小中学生でも手に取りやすい、古典とも言える本ですよね。

でも、大人になっても楽しめるというか、大人になったからこそ味わい深い話がいくつもあります。

そして短いからこそ、忙しい時間の合間にでも読める。

そういう意味で、今の時代にマッチしてるんじゃないかと思うんです。


それに。

小中学生が本を読まなくなったというけれど、彼ら、SNSは慣れている。

短い文は書くのも読むのもお手の物だと思うんです。

だったらカクヨムでも「5分で読書」だけでなく、SNSサイズの「1分で読書」なんて企画があってもいいんじゃないかと思ったんですよね。

紙媒体よりもSNSの方が親和性が高そうな気もしたんですけど、どうでしょう。

ちょっとアイディアを出せば、読み手の幅が広がりそうな気がしたんですけどね。


というのも近頃、スマホでもマンガを読んでるんですが、これ、結構面白くて。

普段、私は横スクロールで読んでるんですが、縦スクロール前提のマンガが増えてきてるんです。

横スクロールのいい所は、見開き2ページ全部使って書かれたのを読む時。

紙と同じで、視界がワッと横に広がった感じが好きなんですが。

縦スクロールはコマのつながり方が独特で、面白いリズムなんです。

どちらがいいとか言うんでなく、ウェブ媒体でマンガの見せ方の可能性が広がってるのかなあと思いました。

ショートショートもそういう新しい可能性がSNSにならあるんじゃないかと密かに思っています。

というよりは私がSNSをしないから知らないだけで、実はもうそういう試みがたくさんあるんだったらいいなあと思っています。



対してノンフィクションですが。

こちら、お金がない出版業界を反映してか、ノンフィクション専業の方が書くものより、近頃はプロではない方が本業の傍ら書かれた本が目に付きます。

いわゆる「お仕事本」ってジャンルですね。

カクヨムでも私、この手の話、好きです。

その道のプロの方が語るお仕事の話はとても面白いですから。

でも、それって結局、書くプロが書いたお仕事話ではなく、そのジャンルのお仕事をされているプロの方が書いた話、なんです。

コレ、仕事の話だからいいんですけれど、それ以外の内容としては、ノンフィクションの書き手が減るのって困るんじゃないかと最近思ったんです。


どういうことかと言いますと。

ファクトチェック、って言葉がありますよね。

フェイクニュースがあふれるようになった今、とても大切なフィルターです。

これ、ジャーナリズム精神がないと困るでしょうが、新聞やテレビ、ラジオ以外の所にいる書き手としては、ノンフィクションライターが一番近いんじゃないかと思うんです。

で、そういう人材がいないと、ファクトチェックは成り立たない。

そして、ノンフィクションライターって、想像以上に難しいとも思います。

対象との距離、主観をどこまで書くか、書く内容の取捨選択……。

ただ書くだけではなく、現実とのかかわり方が問われるからです。



ショートショートとノンフィクション。

どちらも普通の書き手がそうそう簡単に手がけられるジャンルだとは思えません。

かなり特殊な書く筋肉が必要に思えます。

現状、とりわけ不遇なジャンルだとも思います。

書く場、賞、共に少ない。

でも、これから特に必要とされる気が私にはします。


だから、カクヨムさん。

ショートショートとノンフィクション、

少し目と手ををかけてみてはいかがでしょう。

絶対に面白いと思うんだけどなあ。




さて。

私にはどちらも手を出す気も能力もありません。

いい所、読むくらいが関の山です。

なので読んだらこっそり応援させてもらおうと思ってます。


それから。

特殊筋肉や小さい筋肉を育てるのも手が回らないです。

なまりきって、たるみきったこの体。

鍛えるならまずは大きな筋肉から、そうだな、腹回りとかからかな。

ってことは、腹斜筋とか腹横筋とか。腹筋は超弱点なんです。

あとは、太もも。ハムストリング。あたりかなあ。

あー、でも、鍛える前に、脂肪落としたいんだよなあ。

うーん。難しい。

なにせこんな脂肪だらけの文章書いてるくらいだからなあ。



そんな訳で、今日の母の病院の付き添いは、車ではなく歩いて行くことにしました。

少しは筋肉育成に貢献できるかと思ってのことでしたが、

「帰りは久しぶりに外で何か美味しいのを食べたいなあ」

との母の一言に、歩く前から脂肪が溜まる予感しかしなくなりました。

あーあ。




ちなみに。高校生の次男に

「ずーっと座っててお尻、痛くならない?」

と聞いてみたんですけど、

「いや、別に」

あっさりと否定されました。

ハードな運動部出身だけあって筋肉の鍛え方が違うんだなあ。しかも若いしなあ。

しかし。その分、食べたら食べた分だけ太るひとでもあるのでした。

高校受験時に部活を引退してから入学までの間に8kg太ったのは、ここだけのナイショ話です。

そして今、どれくらい太ったかはトップシークレット。

教えてはもらえませんでした。残念、残念。





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