第19話 深夜鈍行/あとかき
ケモノたちが跋扈する深夜、真面目にフマジメを愛する全てのひとにお送りする、
満っつる”コータロー”フェイエノールトの【深夜鈍行】。
今回はゲストもタイアップ企画もございません。
10月最後の夜。静かなひと時をご一緒にお楽しみ頂けたらと思います。
❖❖❖❖
前回の放送で取り上げました、東京は六本木。
そのすぐ近く、麻布に”狸穴”という地名があるのをご存知でしょうか。
たぬきあな、と書いて、まみあな、と読む。
いわゆる難読漢字ですね。
”狸穴坂”という名の坂もあります。
まみ、とは一説によると、
「ムジナ」が雄の狸を指すのに対し、「マミ」は雌の狸を表す
とありますが、
魔魅(まみ)=アナグマ
とも言うそうです。
地名としては、
猯(まみ=アナグマ)に
とあります。
~以上全て、ウィキペディアより~
要は、
タヌキなんだかアナグマなんだか、どっちか分からないけど、そいつらの穴ぐらがあった、
ってことらしいです。
だとしたら現代だと、そこにハクビシンやアライグマも入れてもいい気がします。
この”狸穴”、江戸時代からの地名だそうですが、今ではこんな風流な地名にはほとんどお目にかかれなくなってしまいました。
新興住宅地は、やれ〇〇が丘だの、△△台だの、✕✕山だの、適当にシャッフルして置き換えても何の問題もなさそうな名前ばかりが目に付きます。
それと比べたら”狸穴”……、
こんな住所から手紙を書いて出したら、葉っぱのハガキが返ってきそうではありませんか。考えるだけでも楽しくなってきます。
ただ、残念ながら、とても一般人が住めるようなお値段とはいかないようで……。
それこそ宝くじにでも当たるか、タヌキの葉っぱのお金でもって騙すかでもしない限り、この”狸穴”アドレスは使えそうにありません。
そもそも、とても狭いエリアでもあります。
そういう意味でも、とびきり贅沢な住所と言えるでしょう。
とは言え、これは東京に限った話。
日本各地に”狸穴”と付く地名はあるそうです。
リスナーの方でお住まいの方がいらしたらぜひ、ハガキをお送りください。
番組の中でご紹介させて頂こうと思っています。
🍄🍄🍄🍄
蚊も見かけなくなった庭に久しぶりに出てみた。
気付かないうちに、敷き詰めた石の間からキノコが勝手に生えていた。
シメジみたいなキノコ、大きめパック1つ分くらい。
そうそう。柚子も色付き始めている。
なんだ。
やっぱり鍋の下準備が出来ていたのか。
万一、鍋が残っても、残っている柿を投入して、カレーに味変もできそうだ。
やっぱり明日は鍋か??
🍄🍄🍄🍄
私は鳥たちの賑やかな叫び声を聞きながら、ふと、食べてもなお空腹という長いトンネルを抜けきれない自分の姿を、柿の木の中を吹き抜ける蒼味を帯びたケモノの風の中に見たような気がした。
~コータロー 「深夜鈍行」 第2便 ケモノの風 第12章 ケモノの風
❖❖❖❖
鈍行だけに、ぬるく急いでここまで走ってきましたが、
一ヶ月以上にわたるこの長旅も、終点に到着するお時間が近づいて参りました。
到着する前に、一言、ご挨拶がございます。
お名前、作品、作品内容などを許諾なく使用させて頂いたご
ぬるい鈍行の旅にお付き合い頂いた
本当にありがとうございました。
謹んで御礼申し上げます。
つきましては御礼方々、粗宴を催したく存じます。
詳細は以下に。
🍲🍲🍲🍲
タイトル/牡蠣鍋&焼き牡蠣パーティ
ドレスコード/コスプレ・オンリー ただしケモノのキグルミは不可
手土産/大歓迎 ただし柿は除く 一粒千円以上の最高級チョコレート希望
こちら、QRコードでの入場管理は行っておりません。
アナログですが、このページが招待状代わりです。
入り口で提示して頂ければどなたでも参加可能です。
なお、入り口はお一人ずつご用意させて頂きました。
深夜、ひとりきりの時に振り返ってみてください。
フサフサとした尻尾の先に丸い小さな穴が見えるはずです。
尻尾の指示に従って、穴を抜けてお越しください。
ご参加のほど、心よりお待ちしております。
🍲🍲🍲🍲
最後の最後までお付き合い頂いた
お忘れ物などないよう、今一度身の回りをご確認の上、
降車のご準備をお願い致します。
ご乗車ありがとうございました。
終点。
ブルームーン&ハロウィーン
👻👻👻
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