第2話 ボランティア


0泊2日のバスツアーに参加したことが数回、あります。

ディズニーでもUSJでもスキーでもスノボでもありません。

3.11後のボラバスです。


その中で1回、泥出しをしました。

アレは正直、キツイです。

家屋内ではなく、詰まってしまった側溝だったのですが、

湿った泥は重いし、臭いし、不衛生。

乾いたら乾いたで、風で舞い飛んだ泥が肺に入ると、

色々な感染症の危険があるのだそうで、マスクは外せません。

とにかく厄介で重労働なのです。


若者でも腕がパンパンになる泥出しは、年寄りには酷過ぎます。

はっきり言って、無理です。

でも、今回、甚大な被害を受けた地域は、若者が多くいそうには見えない。

どうするんだろう、と思ってしまいます。


ボラバスは、社会福祉協議会などが主体となって出すことが多いです。

ボランティア保険に入って、装備を用意して、休みも体力もお金も使って…、

とハードルはそれなりにありますが、

当時アラフォー体力ナシ女の私でも足を引っ張ることはなかったと思います。

ボラバスが私にとって初めてのボランティアでしたが、

与えるより得るものの方がはるかに多い経験となりました。


ボラバスは無理でも、できるボランティアは他にもあるかと思います。

物資の提供、仕分け、子どもたちや高齢者のケアなどなど。

ふるさと納税での寄付、なんて方法もできましたよね。


ボランティアの基本。

それは、持ち出し、だと私は思います。

要らないもの、あげても痛くも痒くもないものを差し出すのではなく、

身銭を切る、懐を痛める、って意味です。


自分や周りのひとたちが苦しくなるのは本末転倒だけど、

ほんの少しでも、痛みを自分事として引き受けて、肩代わりできたら。


そう思ってやったはずが、

なぜかこちらの方がたくさんのものを受け取ることも多い不思議。



今回は遠くて体を張れない分、知恵を使わないと、と思っています。

もちろん、気持ちも、ね。

今はとにかく……



雨、雨、あがれ!あがれ!

もう降るな!


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