ミドルフェイズ:シーン5「救援要請」
GM:部隊を率いていたのは日本支部長霧谷雄吾。
霧谷雄吾:「無事でしたか皆さん。到着が遅れ申し訳ありません。桜庭さん、簡潔で構いませんので状況の整理をお願いします」
GM:と、彼は情報共有を求めますね
一行:「無事、とは言い難いですがねぇ……」かくかくしかじか
GM:ではおおよそ伝える感じで
霧谷雄吾:「なるほど。不明な点は多いですが我々は…」
GM:そこまで言いかけた所で、霧谷はキミ達の背後に視線を向け怪訝な表情を浮かべる。
霧谷雄吾:「桜庭さん、あの方は…」
一行:後ろを向きましょう
昴:同じく
GM:そこにはいつのまにか晶によく似た赤い髪の少女が立っていた。
香凜:おっと???
GM:彼女はキミ達の顔を見ると嬉しそうに笑う。
結塚焔:「全く酷いことをするな、支部長。余計な犠牲を増やすような馬鹿ではなかったと思っていたが?」
GM:ため息交じりに彼女はそう言いますね
一行:「……あれが件の人物ですよ。霧谷日本支部長」と小声で言った後「随分と到着が早いですな」渋い顔をして向きなおろう
香凜:「……あの時の!」と身構えよう
昴:「……晶?」
そう呟くが即座に、カリンちゃんから聞いた話を思い返して目を見開きます
「結塚……焔……」なぞる様に、誰に言うでもなく、呟く
結塚焔:「…ふ、クク。そう、私は結塚焔。名が無いと不便だったからな。昴先輩にあやからせてもらった」
GM:焔は昴に向けて、晶と同じ顔を少し歪ませて笑う。
結塚焔:「改めて自己紹介してやろう。私は結塚焔。結塚晶が生まれる過程で破棄されたクローンの一体だ。ついでだ。お前達に教えてやる。結塚晶の罪をな。そもそも“私”は出自からして歪んでいる。遺伝子操作、薬物投与、人体改造、そしてクローン。倫理を無視した禁忌の塊だ。そんな存在が日常を味わっていいのか?いいはずがない。罪深いとは思わないか?」
GM:と、全員に問いかける。
香凜:それには渋い顔で押し黙っとこう
昴:「……そんな、そんなことのために……お前は、全部焼いちまったってのか……!? 出自? 禁忌? そんなもん、作ったやつらの都合じゃないいのか!? 晶に、何の関係がある! アイツは、自分がバケモンだってずっと悩んでた! やっと、羽衣ちゃんやカリンがいて、支部長がいて、アイツが、ようやく手に入れた日常だったのに……そんな……お前の勝手な都合で……!」
彼の放つ雰囲気が変わる。熱い、しかし底冷えするような、異様な炎が燻っている
結塚焔:「あぁ、さぞ楽しかっただろうな。"私"は、結塚晶はのうのうと日常を謳歌していた。見ていたよ。足元に積み重なる失敗作の…私達の屍の山などなかったかのようにな…ッ!」
GM:焔の怒りに呼応し、周囲の気温が更に上昇する。
結塚焔:「だからこれは贖罪だ。結塚晶の愛した全てが壊れる様を見せつける。身の程を弁えずその身で汚した日常全てを灰にする。それをもって私の、私達の贖罪とする。街もお前達も同罪だ。だが結塚晶と縁の濃いお前達は別、逃げるなら好きにして構わない。お前達は殺すより生かした方が苦しむだろうからな」
GM:焔はより一層顔を歪ませる。
羽衣:「──いい加減にしてよッ! 晶ちゃんが何をしたっていうの!? 晶ちゃんが……なんで……」あぁ、さけんだのに。つづきが、なんで、いえないの。
GM:ピタっと、焔の動きが止まる。
羽衣:「なんで……なんで過去のことばかり……なんで、前を見ちゃいけないの……?」がんばっていいかえしたいのに。つづきが、
結塚焔:「“私”に未来などないからだ」
羽衣:「ないなんて、決めつけないで……」
結塚焔:「羽衣、お前は本当に…」
GM:焔は愛おしいものを見るような、遠い目をして羽衣を眺める。
結塚焔:「…お前達と問答をする気はない。言いたいことは言わせてもらった。結塚晶は戻らない、永遠にな」
GM:焔は身体から炎を吹き出す。
エージェント達は巻き起こる炎の嵐に吹き飛ばされ、その場に倒れ伏す。
炎はキミ達を避けるように背後のエージェントに向かっていた。
昴:瞬間、昴の身体から紅蓮の炎が発せられ、迫る炎を飲み込もうとする。
しかし焔の強大な力に少しずつ押し込まれていく
「ぐ……俺が、俺の炎が……押されるだと……!?」
香凜:では後ろで黙ってみていた香凜ちゃんが、穂村くんの背中を押しながら炎の出力をエフェクトで増強して拮抗させよう。
「っ……ほんっとに、能力だけはあの人と同じでいっちょ前なんだから!」
昴:ではその力を受けてどうにか焔の攻撃を捌きましょう
GM:じゃあ…炎の嵐の中心にかろうじて焔の姿が見える…かな
香凜:「"私"がどうとか、晶センパイがどうとか……クローンなだけあって本当にそっくりですね! あなたたちは! でも言わせてもらうけれど……アンタはアンタよ、"結塚 焔"! アンタのやってることが"贖罪"だっていうのなら、私も今その最中なのよ! だから──邪魔、するなぁ!」
怒りに任せて叫んでから、炎の出力をさらに後押ししよう
GM:陽炎の向こう、背を見せ去っていく焔の姿が見えた頃。
炎の嵐は昴の力によりかき消える。
昴:「……"私"か」彼女が消えた後の虚空を眺めつつ、拳を握りしめる
「俺の真似のつもりか……馬鹿にしやがって」うつむき加減になり顔を覆う
「全部焼いちまったら、何も残んないんだぞ……」やるせなく呟く
GM:霧谷は部隊に指示を出し散開させていく。
霧谷雄吾:「我々の事は気にせず結塚焔を追ってください。あの口ぶり、結塚晶さんはまだ助けられる。他の事は全て我々にお任せください。貴方達は貴方達にしか出来ないことを」
一行:余波で傷ついたエージェントを回復させつつ
「話が早くて助かります。霧谷さん」
GM:霧谷の部隊は人命救助を優先し動くため、根本の解決はキミ達に託されますね。
香凜:まぁ大人組がなんやかんやと動き出しているのを横目に
いつの間にか胸の石にともっていた仄かな光が消えるのを見届けながら、消沈している羽衣ちゃんの手を取ろうかな。
「せんぱい……」
羽衣:手を取られて、香凜ちゃんの方を見ますが、
「わたし、言い返せなかった……」それだけ言うと、口を閉ざしてしまいますかね……。
香凜:まぁ、それには表情も曇りますわ……。
支部長に振り返って「一度、拠点に戻りましょう」と進言しときます
一行:「えぇ、そうですな。得られた情報もまとめなければ」
GM:では一旦シーンを切ります
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