ミドルフェイズ:シーンEX「これでいいんだ」

GM:小高い丘、燃え盛る紫藤市を一望出来るその場所に二人の少女が立っている。

朱崎舞香:「今のあんたなら私一人でも十分よ」

GM:朱色の少女が吐き捨てるように言う。

 青い少女は虚ろな目で街を見つめていた。

結塚晶:「なら、何故そうしない? 今のお前を縛るものはもう何も無い筈だ。好きにすればいいだろう」

GM:青い少女も吐き捨てるようにそう答える。

 朱色の少女は苛立ちを必死に抑え、腕を組みながら溜息をつく。

朱崎舞香:「…私じゃダメなのよ。ムカつくけど、それじゃ意味が無い。あんたが向き合わなきゃいけないのは私じゃない。あいつらよ。どうせこんなことになっても諦めないしつこい連中なのは嫌ってほどわかるでしょ? だからあんたは諦めなさい」

GM:青い少女は答えない。

朱崎舞香:「…まだ逃げるんなら覚悟しなさいよ。私はアイツらみたいに甘くないから」

GM:青い少女の態度に耐えかねたのか、朱色の少女は背を向け闇に消えていく。

 独り残された青い少女は、膝を抱えしゃがみ込み今にも泣き出してしまいそうに顔を歪める。

結塚晶:「…お前も同じだ。甘いよ、甘すぎる。だから“私”の様な化け物を許してしまうんだろうな。…ここまでやったんだ。どうか今度こそ、お前達が私を許してしまえないように」

GM:彼女は目を閉じ、祈るように呟いた。

 瞼の裏に浮かぶ仲間たちの姿を振り払うように立ち上がり、暗い決意を瞳に込め燃える街を見つめる。

結塚晶:「これで…いいんだ」

GM:言い聞かせるような言葉を虚空に残し彼女もまた、闇に消えていった。

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