オープニングフェイズ:シーン0

GM:後夜祭が終わり、全員が帰宅した後。

 キミ達は結塚晶に夜間のトレーニングに付き合わされていた。

 彼女は支部の前にたどり着くと一呼吸置いた後口を開く。

結塚晶:「今日はこんなものだろう! そういえば羽衣、最近学校はどうだ? 私はまだ長時間登校できないからな、居ない間の事も知っておきたい」

羽衣:「お疲れさま、晶ちゃん! 最近? そうね……」

 と言って、学園祭の準備以外のこととか?あれこれと喋りますかね

 なんだろなー 先生がこうでーとか、あの子がーとか?

 語彙がないですね ともかく毎日色んなことがあるんだよって

GM:楽しそうに相槌を打ちながら聞きます うんうんと

結塚晶:「問題ないようでなにより。香凜と舞香はどうだ。まぁほぼ一緒にいるわけだが、改めてUGNには慣れたか?」

香凜:「ほぼ一緒っていうか……」

舞香:「余計に騒がしくなったというか……」

香凜:「まぁ、UGNにっていうか……こいつとの付き合いには慣れましたよ」

舞香:「平和ボケしてるのは好みじゃないけれど、こうなったらどうこうするつもりもないわよ」

香凜:「……前みたいに、辛くはないですしね」

 ちょっと思い出したように悲しそうな顔になりながらも、笑顔を作るかな

結塚晶:「順調に懐柔されているようで何よりだ」得意げに

舞香:「……ま、わたしもこの子も、ここにいる以外に生きる道はないもの」

 すげなく言うけど、前より刺は少なくなってるように感じる

結塚晶:「そうかそうか」ウンウン

 「ミードは…心配いらないか。学校でも上手くやっているようだし、羽衣がいれば大丈夫だろう」

GM:ミードは晶の言葉に少し顔を歪めるが、すぐに表情を正す。

 露骨な嫌悪は少し、収まってきたようだった。

白藤ミード:「…はい。まだまだ完璧とはいえませんが、少しずつ人としての生活にも慣れてきた所です。ご主人様と皆様のおかげです」

GM:ミードの言葉に晶は満足そうに頷く。

 そして、少し躊躇うような仕草を見せた後、香凜の前に立つ。

結塚晶:「で、だ。舞香、話がある…と言ったが…今で良いか?」不安げに

舞香:晶に対して探るような視線を向けつつも、ため息ひとつの後に表情を和らげよう。

 「好きにしなさいよ、ほら」

羽衣:「ねぇ、わたしたちも聞いていいの? 席外そうか……?」

結塚晶:「いや、いてくれ。その方が心強いのもあるが…お前にもミードにも聞いておいてもらうべきだろう」

GM:無理に笑顔を浮かべながら晶は言う

羽衣:「うん、わかった。じゃあ、隣にいるね」

 緊張をほぐすように、柔らかく言って。

GM:少し深呼吸をし、晶は口を開く。

結塚晶:「…自分なりに考えてみた。私がどうしたいのか…をな。私達は仲間だ。私はそう在りたい。過去に怯え、逃げ続けるのはもうやめにする。何もかも忘れる…と言うのは…」

GM:晶がそう言いかけた時、キミ達は気がつく。

 ミードが胸を抑え、うめき声を上げていることに

白藤ミード:「…う、ご主人様。な、何か変です」

羽衣:「みぃちゃん! 大丈夫!?」駆け寄って様子を見ます

GM:ミードは胸を抑えその場に崩れ落ち、晶はそれに駆け寄る。

結塚晶:「ど、どうした。大丈夫か?」

GM:しかしその瞬間、ミードから吹き出す影がキミ達を吹き飛ばす。

白藤ミード:「私はそんな事を思っていないのに…。晶様が…許せないと…。私の中の…誰かが」

GM:吹き飛ばされたキミ達は地面に転がる。顔を上げたキミ達が目にしたのは、信じられない光景だった。

結塚晶:「ミード…! な、何を…お前…」

GM:よろめいたミードを抱えようとした晶、その胸にはミードの右腕が深く突き刺さっていた。ミードが、ミードの姿をした何者かが呟く。

白藤ミード?:「…傍観しているつもりだったが我慢の限界だ。何が仲間だ。どの面を下げてそんな言葉が口にできる?」

GM:ミードがもう片方の手を支部へとかざす。

 すると爆ぜる様な激しい炎が支部を包んでいく。

 それと共にミードの体が影と炎に包まれ変貌していく。

 赤い長髪に黒い肌。その姿は…晶と瓜二つだった。

羽衣:「な、に、なんで……? 何してるの……!?」

香凜:「あれって……!?」

舞香:「っ、マズいわね!」素早く起き上がり、躊躇なく槍を錬成しようとする

結塚焔:「…先に名乗っておいてやろうか。私はミードではない。名は…そうだな。ホムラ…結塚焔だ」

GM:彼女は満足げに頷く

結塚焔:「私は結塚晶のすべてを奪う者。結塚焔。ホムラ…全てを焼き尽くす者にふさわしい名だろう?」

GM:そう言い晶と同じ顔で笑う。

 晶は目を見開きながらキミ達に何かを伝えようとする。

 だが結塚焔と名乗った少女はそれを許さず、突き刺した腕に燃える影を纏わせ晶を焼き尽くす。

 晶は苦しみ悶えながら、焔の影に溶け落ち消えていった。

舞香:「ホムラねぇ、皮肉のつもりかしら? 趣味は悪いとは思わないけど」

 軽口を飛ばしながらも、焦りが表情ににじみ出るかな

結塚焔:「やはり気が合うな。…欠片とは言え同じ"私"だものなぁ?」

GM:彼女は嬉しそうにそう言うと、地面を蹴り舞香の目の前に立つ。

羽衣:わたしが割って入ろうとしてもよいです?(するだけ)

GM:いいですよ

羽衣:「っ、だめッ!」

 晶ちゃんの様子に何もできなくて、せめて香凜ちゃん──舞香ちゃんだけでもと、守ってあげなきゃと、2人の間に割って入ろうとしますが……?

結塚焔:「…ッ! お前はまだだ。順番は…守らねばな」

GM:羽衣が飛び出したことに驚き一瞬手を止めるが、燃え盛る腕でそれを払いのける。地面に倒れてしまう…かな

結塚焔:「さて、おかえり…というべきかな?」

GM:焔はそう言いながら、その腕を香凜の胸部に、賢者の石めがけて突き刺した。

 舞香に、香凜の体に熱と痛みが走る。

 何もかもを奪われるような恐怖が全身に満ちていく。

 そして焔の腕が引き抜かれた時、香凜の頭の中には静寂だけが残った。

羽衣:「香凜ちゃん、舞香ちゃん……!」

 2度も吹き飛ばされたらさすがに立ち上がる力もなくて、声しかかけられない……!

香凜:「ぐっ!? ……あっ……」

 あの時と同じ、胸を貫かれ空虚になる感触に言葉を失い、血を思いきり吐き出すかな

GM:焔は香凜を蹴り倒し、羽衣の目を見る。

結塚焔:「何故こうなったか…。答えは既にその手の中にあるだろう? 答えは地獄で…また会えたなら教えてやろう」

GM:焔はそう言うと足元に赤く黒い結晶を生み出す。それらは怪しく輝き燃え上がり、彼女はその中に姿を消す。

 キミ達は支部が轟々と焼け落ちていくのをただ見ているしかなかった。

羽衣:「待って……待ちなさいよ……ッ!」

 そう言うだけで、"彼女"には何も届かないまま去って行かれちゃうんだろうなぁ

GM:それに答えるものはおらず、熱にやられ二人共意識を失っていきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る