第5話
翌週の月曜日、柊が教室に入ると西条と長谷川が話していた。
「おはよう颯人」
「おはよう柊」
「おはよう二人とも」
「颯人。長谷川もバスケやってるんだって!今日一緒にバスケ部に体験してくる!」
「あれ?もってことは柊もバスケやってるのか?」
「颯人もやってるよ」
「え、でもこの前帰宅部って言ってたよね?」
「途中でやめたんだ」
「あっなんかごめん」
「気にしなくていい」
西条は柊がバスケやっていることを長谷川にばらした。柊は余計なことしやがってと心の中で悪態をついていた。
「じゃあ高校ではバスケやるの?」
「やるつもりはない」
「そっかー」
「えーいいじゃんやろうよ!とりあえず体験でもー」
「そうだね。俺たちも今日体験しに行くし一緒に行かない?」
「服がない」
「見るだけでも雰囲気わかるしどうかな?」
「部活に入るつもりはない」
「そっか。じゃあしょうがないね」
そう柊は冷たく返すとそれ以上は長谷川もしつこくは言ってこなかった。西条は何やら騒いでいたが。
クラスを見渡すと今日から2週間部活の体験ができ、みんなどこの部活に入ろうかと友達とワイワイ話していた。
「じゃー俺が今日偵察して明日颯人に報告してあげるよ」
「いや入る気ないから」
「西条さすがにしつこすぎだぞー。そこまでしてバスケ部に入れたいのかよ」
「いや...うん...ごめん颯人」
「別にいい。ありがとう長谷川」
「あいよ」
柊は長谷川に助けら感謝した。西条が表情を暗くしてしまったので長谷川は気を使って話を変えた。
「あー西条と柊はポジションどこやってたの?ちなみに俺はSG(シューティング・ガード)」
「俺はPF(パワー・フォワード)」
「俺もSG」
「おっ一緒じゃん」
ポジションも一緒で柊は少し親近感を持ち、そのままバスケの話をしていた。すると
「なになに?バスケの話してるの?」
そう言って橘さんともう1人の女子生徒がきた。
「あ、ごめんね。西条くんと柊くんは知ってるだろうけど私は橘です。よろしくね」
「俺は長谷川。よろしく」
「私もだね。井上です。よろしくね。あと久しぶり長谷川くん」
「あ、う、うん久しぶり井上さん」
そう言って長谷川は頬を赤らめていた。話では長谷川と井上は同じ中学校だったみたいだった。橘さんと井上さんもバスケをやっているらしく、今日女バスに体験に行くようだった。
「柊くんもバスケ部の体験行くの?」
「俺は行かない」
「じゃあ4人で放課後バスケ部に行こうか」
「「「いいね!」」」
「先生来たしまた放課後ね」
「またね」
先生が来てHRが始まったのでそのままみんな解散した。
昼休み、柊と西条と長谷川は一緒に学食に来て昼食をとっていた。
「何たのんだー?」
「とりあえず定番のカレー」
「俺はカツ丼」
「定番とか言って颯人考えるのめんどくさかっただけだろ」
「そうともいう」
「西条は何たのんだ?」
「俺は日替わり定食」
「豪華だな」
「こいつ金持ちだから、なんかあったらたかるといいよ」
「まじ!西条と友達で良かったわ」
「おい!!友情は金目当てかよ!」
長谷川も悪ノリにのって西条を柊といじった。西条もやられっぱなしでは終わらず反撃にでた。
「そんなこと言って長谷川くん、さてや君井上さんの事好きでしょ」
「はぁっ?そそそんなことないし!!!」
「顔真っ赤だぞー」
「違うし好きじゃないし!」
「じゃあ俺狙っちゃおうかなー。小動物みたいで可愛いし」
すると長谷川はキッと西条を睨んだ。
「ほらやっぱり好きじゃねぇーか」
「はめられた...そうだよ井上が好きだよ。そんな分かり易かった?」
「「うん」」
「まじか」
「顔に出てるし態度がね笑」
「後俺らの前では呼び捨てなのな。名前で呼んだりしないの」
「そんな恥ずかしいこと出来ないわ!」
「そういえば井上さんの下の名前って何?」
「かっ香織(かおり)」
そう照れていう長谷川が面白くて西条と柊は弄り続けた。
「いつからすきなんだー?」
「中2の夏から」
「どうして好きになったんだー?顔か?笑」
「ちがうわ!まぁ可愛いけど...// じゃなくて夏休みの練習の後自主練してたら井上がきてそのとき話したら楽しくて。しかも最後に自主練してえらいねかっこいいねって言われて...」
「ひゅー!あおはるだねー」
「砂糖はきそう」
「うるせえ!お前らが聞いてきたんだろ!」
「ついでに惚気られたから」
「いやいや長谷川くんもかわいい所あるねー笑」
「やめろ!!」
そうこう話している内にみんな食べ終わったので食器を片して教室に戻った。その際に長谷川は「もう今日疲れた」と呟きながら2人にいじられながら戻った。
放課後、4人はバスケ部に向い、柊は帰宅したのだった。
All for one そら @mihoru10
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