第1話

大変お待たせ致しました。

学園らしい物語にはしようと試行錯誤したが、時間だけが過ぎていったので多少学園という設定を無視してでも進ませたいと考えて今回投稿しました。


現実の仕事が忙しく、投稿頻度を上げることが困難ではあるが、完結させられるように頑張っていく所存です。


よろしくお願いいたします。



※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などと関係ありません。

 いかなる類似あるいは一致も、全くの偶然であり意図しないものです。











XXXX年4月5日


長い冬から明けてこれから暖かな天気になりつつ、例年より少し遅く開花したばかりの桜を見ながら私立幸城学園へと車で向かっていき、許可書を鞄から取り出してすぐに敷地内に入れるようにしていた。


先述のとおり、地方にしては発展しているものの都市ほどではないが不便なく過ごせるくらいのインフラは整っていることがありがたい。


そしてなにより電車を乗ればすぐに大きな都市に行けることがここを選んだ理由だったりするが、やはりここの町の穏やかな雰囲気が好きだ。


学校の生徒の男女比は大まかに4:6で女子の方が多い感じではあるものの、元は女子校で最近になって共学化した割には男子が結構入っている。


やはり、数少ない学校がある中で唯一の有名であるということが要因だろうが、幸城学園は名前だけしか聞いたことがなかったが、どうやら結構な名門校で著名人を輩出しているらしいが、私は軍の教育隊の同期がそこの出身ということしか知らない。


あいつは今元気にしているのかと思っていると校門が見えてきて、立派な学舎が並んでいて、さすが名門校と思わせるほどの荘厳さを感じる。


守衛の方に許可書を提示して与えられた駐車スペースに車を停めて、学園の中央に位置する1号館に入って、2階の職員室に私のデスクに鞄から必要な書類を出してパソコンを起動してすぐに隣接されている会議室に入って教員の朝礼に参加して連絡事項を聞いて、生徒に配る用の紙を受け取って目を通して内容を把握する。


そしてチャイムが鳴る5分前に出て、オンタイムで教室につけるように歩幅を調節して伝達事項と午前中のスケジュールを思い出しつつ、教室の扉の前に立ってチャイムと同時に扉をあけて一日が始まったことを実感する。


生徒はきちんと席に座って待っていたので、すぐに朝のホームルームを始めることにした。


日直は今日の午後に詳細を知らせる予定だったので、号令はすべて自分が行う。


「起立、、、気をつけ、、、礼、、、直れ」


危うく軍隊時代の声でやりそうだったが、なんとか堪えていたって普通で全員教室にいる全員に聞こえるような声量にすることに努めた。


今日の職員朝礼で生徒に伝達事項を伝えたあとに、オリエンテーションの会場である体育館へと引率して指定された席に座らせて始まりを待った。


先日入学式をしていることもあって、一部の紅白幕が片付いていなかったが誰もそんなことを気にも留めていなかった。


親は死んでいないが仕事で来れず、誰にも見送られることもなく入隊式を受けて地獄の一年間が始まり、同時に私にとって最初のかけがえのないイベントだった。


入隊式前にはすでに着隊して軽くお客様待遇で教練やら官品貸与式を済ませ、同部屋の奴に話しかけてられて、友達関係を形成していた。


まさか、このときの同期が本当に兄弟や親よりも絆の深い一生の友となるとはこれぽっちも思っていなかった。


どれだけ離れても繋がりは消えることはなかった。









さて、思い出に浸っているとオリエンテーションが終わる頃になっていた。


どうやら、かなり思いふけっていたようでまだまだ過去を割り切ることができなかったというのが腹立たしいが、今はその時ではない。



もう、あの時のような緊張感も達成感も感動も味わうことはできないものだと思っていた。


過去は自分を離してはくれないようだった。


しかし、これはまだ先の話である。

















さて、オリエンテーションのあとは教科書の受け取りと時限表を渡してちゃんとした自己紹介をすれば今日が終わる。


暮らすの担任は初めてで生徒との距離を掴めてもいなければ、いい感じに変えることも出来ていないもが、現状でかなり頭を悩ませている。


教育隊であれば、班長が焼肉に行くぞといえば、みんなで食べて飲んで仲良くなったり、訓練でぶつかりながらどうにか卒業するのだがな、いかんせんは違うらしい。


最近は何で訴えられるか分からない世の中になってしまったこと自体が阿呆らしいことで、『』しか教えていないこの国に疑問を抱くが、結局なにかしたところで変わらない。


なにせ、小さな希望は狩られて都合の良い使い捨ての歯車が欲しいだけの社会で回っているからだ。


「出る杭は打たれる」とは、よくこの国の本質をよく表している。


人目を気にするがあまり、優秀な奴が自分で自分を殺している。


だから、競争に負けて負けて負けて負けて負けて負けて負けて負けてくたばるだけの人生をプロデュースされる。


己の実力での勝利という二文字を味わせてもらえない。


軍隊では集団といってもやはり個が集まって全力で出して勝つから達成感があるのに、足の引っ張り合いで自分の戦果を横取りされて奴隷都合のいい奴として扱き使われるだけだ。


自分はそんな惨めで醜い生徒を送り出したくない。


たとえすべてから嫌われても己の道を信じて戦い、真の勝ちの人生を歩ませる。


仕方なしに決められたレールに乗せられて奴隷のような人生を過ごすようなことだけはさせたくはない。


「好きなことを見つけ、極めろ」が俺の要望事項で自己紹介兼ねたプリントに書いた。


経歴は簡単に書いた、嘘は書いていないが全部を素直に書く必要はない。


自分の担当する教科を説明し、プリント通りのことを説明し終えるとチラホラ質問したがりそうな生徒がいたので、当てることにした。


「高柳先生はなんで海兵隊に行こうと思ったんですか。」


「当時は就職先がなかなか見つからなくてね。困りに困ってそこを受けたら合格したからそのまま進んだ。」


これに関しては本当である。


「海兵隊でどんなことをしていたんですか?」


「ロードマスターと言う、軍隊版のキャビンアテンダントをやっていた。政府専用機の方ではないよ。普通の輸送機だよ。」


これに関してはノーコメント


「中東派遣ではどんなことをしていますか」


「陸軍の荷物を運んだり、人を乗せたりしてたよ」


まあ、表向けはね。


「危ない瞬間とかあったんですか」


「うーん、あったな。自分たちの駐屯地の近くにアメリカ軍がいて、そこにロケット弾が3発くらい落ちてきて、こっちの滑走路の近くに落ちたときはかなりビックリしたかな。ニュースにもなってた思うよ。」


もっと危ないことなんて日常で、陽を浴びることはない事実である。


思えば、あれは人生最大の転機だったな。










中東某所  日時不明


当時は「カマーン」という名のテロ組織の掃討作戦の準備として大型輸送ヘリで人員と武器を米軍の物資集積地に運んでいた。


俺はこの時は語学士官として米軍の集積地の防衛追加要員として乗っていて、飛んでいるルートは数か月前にテロリストの手を排除したばかりだったが、しばらく目撃情報もなかったため、今では輸送機の安全なルートとして使われている。


「まったく、米軍も人使い荒いなぁ」


「仕方がない、お金だけ払って参戦した気になった政権にでも文句を言ってくれ」


追加要員の小隊長で自分の同期の奴が愚痴をこぼすのも仕方がない、本当に金だけ払ってさも多国籍軍の一員をした日本は各国からの顰蹙と批判を受けて、渋々人員派遣をしたのは良かったがまともな装備を持たせてもらえずに行かされているのが、まさしく今の自分たちである。


各国に派兵アピールだけはするけど、野党の「侵略」だのという訳が分からない声に対しての配慮として自衛火器は最低限しか渡されていない。


小銃と拳銃のみで軽機関銃を持たせてもらえず、しかも旧型の装備品で砂漠仕様の迷彩服はない。滅茶苦茶暑くて油断するとすぐ脱水症状になる。


砂漠仕様の迷彩服の要請は何回もしているが、返答は「税金の無駄」という訳の分からないもので、やはり野党の連中がどこぞの赤い国の飼い犬であるようだ。


赤狩りはやはり行われるべきだったと今も思っている。


赤い思想は危険で脆いことはソ連崩壊と数々の事件という歴史的な出来事が証明している


まあ、今はどうでもいいけどな。


まだ、70年代くらいの米海兵隊の装備品かというレベルのひどさで周りからは白い目で見られる。


まだ派遣しない方がマシなレベルであるが、まあ圧力には勝てなかったのだろうな。


いっそのこと、衆議院の優越で押し通すくらいの勢いのある総理がついてくれれば物事は変わっていただろう。


まあ、法律に定められているのに独裁だのと無知を晒す人たちがうるさいから叶わないがな。


などと考え事に没頭していると、ヘリの壁に叩きつけられて現実に引き戻されてすぐに大きな衝突とともに目の前が真っ暗になった。

続く・・・

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