第27話 これが自分褒めなんだ

 月曜日の朝の話は、約束通り、みんなの自分褒めを紹介してもらえるはずだ。

どんな褒め方をしているんだろう。

タイム以外にどんなことを褒めるんだろうと思った。

先生が笑顔で話し始めた。

「お待たせしました。」と言ってみんなを見回し、

「一番多かったのは、タイムが短くなった。頑張ったね。でした。」

ニコッと笑い、「予想通りだった?」と言った。

そう、予想通り。他にどんな褒め方をしたのか知りたいんだよと俺は思った。

先生は、みんなを見回しているが、なかなか話し始めない。

じれったくなった石橋君が「次を早く言ってよ。」と口を尖らせて言った。

「ごめんごめん。」と言いながら、

「聴きたくなったね。

話すよ。」と言い、話し始めた。


物事を成し遂げるには、「目標をはっきり持つ」「目標に向けての活動を継続して行く」ことにより、「結果が得られ自信をつける」となるんだ。

それぞれの場面でちょっとの工夫や変化があれば、自分褒めができるんだよ。


「目標をはっきり持つ」場面

・家族に話した。

 やらなくて叱られることもあるけど、家族からの応援ももらえた。

・目標を机の前に貼った。

 目に入るので忘れないようになった。

・机の上を片付けた。

 前よりやり易くなった。


「目標に向けての活動を継続していく」場面

〇学習場所や姿勢について

・テレビの前から机でやるようになった。

・寝転んでやっていたのを椅子に座ってやるようになった。

・背骨を伸ばして気合いを入れてやっている。

〇学習時間と継続について

・夕食の後、すぐにやっている。

・毎日2ポイント分を必ずやった。

〇気持ちの維持向上について

・家での生活時間表をつくりわすれないようにした。

・カレンダーとシールをもらい、やったらシールを貼った。

 シールの枚数で頑張りが続いているのが分かった。

・宿題を始める前に、ライバルの名前と負けないぞを言い、頑張った。

・勉強の終わりに、自分の頑張ったことを言うようになった。

 間違えが多くても、今日の自分は頑張ったと思え、次も頑張ろうと思えた。

・やり終わったら、「熱盛」と叫んでいる。


 そう、自分褒めは、結果の向上だけじゃなく、自分の立ち向かい方や姿勢、意気込みなど変化してきたら、それを褒める。

目標までの細かい道のりを意識すれば、いろいろなところに褒める材料がある。

細かい部分の変化に気付き、小さな成長を感じることができる。

自分褒めは、自分で活動のエネルギーを高める大きな秘策。

時には、手前みそになってもいい。

伸びながら修正していけばいい。

ぜひ、身に着けてほしい。

松下先生は、熱く語った。


俺はこんなことかなと思った。

細かく見ると、変化があって、自分を褒められるよ。

褒められると、やる気がわくでしょと言うことらしい。

俺も家族に話して応援されたからわかる。

100マス九九でやってみた分習法をサッカーのスルーパスでやったら何をやるかはっきりして、少しできるようになり、コーチからも褒められた。

自分でもうれしかった。

このサッカーでも応用してみたことを自分褒めしてもいいんだ。

何でも自分が努力して変化させていくことを褒めて、その進み具合を高めるのが自分褒め。

自分を褒めると、何か、照れくさいようだけどうれしい、不思議な気分だなあと思った。


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