第4話 朝の話は、授業で自分の考えのつくり方

 算数の授業の始め、松下先生が、「算数の問題って、今までのことを使って解けるようになっているよね。」と話し出した。確かに、面積を求める問題は、公式を思い出して、それに当てはめて解いている。「4年生で面積の勉強をした。5年生で平行四辺形の面積を求めるとき、4年生の面積のことを思い出し、使って解いたよね。」と言いながら、みんなを見回した。その目とあった時、僕は頷いた。それを確認したうえで、先生は、「今までに勉強したこと、既習事項を使って解いている。できる子は、既習事項の思い出し方が速かったり、使い方が適切だったりするから問題が解けます。この一年間、既習事項をみんなで思い出した後、学習課題に入っていきます。勘でやるんじゃなくて、既習事項を利用して個人学習の時、考えを作り、ノートに書いていきましょう。書いておけば、どこまでかけたかで、私は点数をつけることができます。間違っていても、理由がかけていれば、Aです。具体的な図や決まりが書けていれば、Aが増えます。だって、惜しいところまでできている人に、ちゃんとAを示し、自分が出来ているのを感じてほしいから。とにかく、頭の中にしまっておかないで、ノートの書いてね。

それで、個人学習は、基本5~10分にします。その中で、何を書くことが出来るようになるか、自分に挑戦してください。。量や質により、あなたは自分の成長を感じることが出来ると思います。そして、自分の成長が感じられたら、私の評価がいつもと変わらなくても、「私はAA。だって〇〇が□□なんだもん。」とノートに記してください。この次から私はあなたが気にしている方向も意識します。とにかく、自分で考え、解こうと動き出すことがとても大切なことです。」と話した。自分の考えを作ることが大事なのは俺もわかる。でも、ノートに書くことで考えを作れるようになるのかなあと思いつつ、朝の話でこんなに熱く授業について語った先生は初めてだった。


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