8/14 汚れちまった悲しみに・・・・・ 中原中也

忘れちまった らの行に

れは『レイモンドーフ』と書くことを



そんなことはどうでもよく、

何故か中也の詩が頭をよぎった。

かの有名な、


 『汚れちまった悲しみに・・・・・』

       中原中也 青空文庫より


  汚れっちまった悲しみに

  今日も小雪の降りかかる

  汚れっちまった悲しみに

  今日も風さえ吹きすぎる


  汚れっちまった悲しみは

  たとえば狐の革裘かわごろも

  汚れっちまった悲しみは

  小雪のかかってちぢこまる


  汚れっちまった悲しみは

  なにのぞむなくねがうなく

  汚れっちまった悲しみは

  倦怠けだいのうちに死を夢む


  汚れっちまった悲しみに

  いたいたしくも怖気おじけづき

  汚れっちまった悲しみに

  なすところもなく日は暮れる……



本当の所、内容はよく分からない。

ただ、音の流れが美しい。

『汚れた』でもなく『汚れてしまった』でもなく、

『汚れちまった』がなんとも美しい。

あまり上等な言葉づかいではないけれど、

言葉の流れが美しい。


例えば、今の時代、この詩が、ここにあったなら、

膨大な詩の中から、わたしは探すことができるだろうか。

例えば、仮に、辿り着いたとして、

この詩を美しいを思えるだろうか。

中原中也だから読み、

中原中也の詩だからいいと思うのかもしれない。


自分に審美眼があるとは思えない。

とても自信がない。

何がいいのか、どこがいいのか分からない。

たけど、何だかとても心地いい。


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