第1話 地球温暖か?

台風でもないのに 何だ この荒れよう。


人間と言うのは、

つくづく勝手な生き物だ。


今まであったが山が消えた。

たまにその前を通るのだが、

とても胸が痛む。


草の引きちぎられる匂いがして、

   それは木々の血飛沫のよう。

大量の砂埃が舞い上がって、

   それは虚しい抗いのよう。

徐々に、土色の肌が広がって、

   やがて全てが消えてった。


わたしは最中さなかに悲鳴を聞いた。

あの時、山が、草木が、獣たちが、

憤怒の叫びをあげただろう。


遥か遠くからでも見えるその肌は、

広く大きく広がるその肌は、

そうした肌に、人は家を建て、

そして、わたしが住んでいる。


人間と言うものは、

どうしようもなく勝手な生き物だ。




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