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「私は無理 もう駄目 限界よ
この荒れ野を歩くなんて
だからお願い それを
河から引き戻された少女が言った
二人連れだって逃げようとしたものの
一人は死んで 自分は生きて
さりとて その
高熱に
どうせ儚い身の上ならば 早く逃れたい
その少女のみならず どの少女にも
仲間の死は 少女たちに現実を見せつけて
それでも 尚 留まる理由があるのだろうか
死んでしまったら お父さんや お母さんに会えない
さりとて 生きていたって 会えやしない
あちらとこちらを隔てる河を
もはや 渡ってしまったのだから
生きていることに何の意味があるのだろう
どこに希望があるというのか
あとは 痛みと孤独だけ
次は わたしかもしれない
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