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二十ある瞳が 毒玉二つに注がれた

沈黙の中 毒玉二つ

それぞれ5つに分けて

それぞれ10人の少女に渡された


朝があけないうちに

鳥たちが鳴かないうちに

男たちが目覚めないうちに

少女たちは毒玉を手に取った


「ほんとうに あなたは可哀そう

まだほんのこどもなのに

わたしはあなたより一寸年上だけど

その分 わたしはみんなといられたのね」


「ほんとう あなたは可哀そう

まだまだこれからって言うのに

わたしは あなたより少し年上な分

あなたより多く思い出があるわんだわ」


「あなたは まだ学校にも上がってないのに

わたしは あなたよりたくさんのことを教わった」

「わたしは あたなより年を重ねて

 誕生を祝ってもらったわ」

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