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その身を 荷物かのようにその場に捨て
その様子を 少女たちは一つ遠巻きにして
一人の少女と 8人の少女たち
檻の外では 男たちの声が騒々しい
何かを強く打ち叩く音
それに合わせて 叫ぶ声
馬たちまでが
何が起こったかは 幼い少女には分からず
けれど とても恐ろしいことがあったのだと
一人戻された少女を 盗み見しながら
そばかすの少女の
まんじりともせず 夜が明けた
ぐずついた朝の明かりでさえ
そばかすの少女の姿は見当たらない
それでも そのまま一団は動き出した
檻は がたがたと荒野を進む
かさかさと枯れかけた葉を踏みしめ
川辺に茂る
一瞬 少女たちの息が止まった
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