節子それはきゅうりやでええええええ!!
「おれは田舎に引っ越して農家になる!!」
「なんだって!!?」
なーんていう雑なやりとりがあって、今田舎に家を探しています。
田んぼで米が作りたいんだそうな。
50代半ばの万年サラリーマンに果たして米で生計を立てていくことが本当にできるのか。
そしてわたしは究極の車社会でまともに運転技術を習得することができるのか。溝にタイヤ落としたらどうすればいいんだ。
様々ななにもはっきりしない状態で見切り発車はいつものことですが、流石に家なので慎重に探しております。
「中古の一軒家はここ気をつけたほうがいいよ」ってところがあったら教えといてくださいゆうすけさん。笑
各市町村の「空き家バンク」なるものを毎晩毎晩血眼になってパソコン、アイパッド、スマホを駆使して眺めておりまして、旦那の休みのたびに現地に赴き外観を見せてもらったり家の周りの状態を教えてもらったりしています。
内見にまでは未だ至らず、みたいな状態です。
おかげで毎日疲れが溜まってとても眠いです。
場所がいちいち遠いしね。山道通んなきゃいけないしね。そろそろ吐くわ。
良さそうな家を探すの大変なんですよ。
農家になる!! と息巻いているので田畑が付属した物件が必要です。
ところがね、きれいな家にはなかなかついてないんだよね、田畑。
反対に田畑がついてると今度は家がぼろっちぃ。すごくぼろっちぃ。
もしくは広くてきれいな家に広大な庭に大量の広い田畑! ついでに山までぜーんぶつけちゃる! だとマネーのほうが目ん玉飛び出るような数字だったりするんですよ。2450万なんて持ってねぇ。あとわたしもそんな武家屋敷みたいな庭は管理できない……。
他にも墓地が一緒に引っ付いてきますとかね。
誰の墓……? とか。笑
昔は古民家とかぼんやり憧れてましたけど、五右衛門風呂とか薪焼きとか、隅っこに押しやられた暗い和式トイレとか、かまどとか、現実的に考えたら冗談じゃねえですな。
水回り大事だよね本当。
田畑がついてる物件を旦那が見繕って、家の状態をわたしが見て、お値段が少しでも安くていいものないかしら、とふたりで本当に毎晩目ぇしぱしぱさせています。
急に米農家になりたいとか、よくそんな暴挙を許したね、とか言われそうですが、まあね、そうよね。
今住んでるところは便利です。
旦那の地元だし、もう7年くらい住んでるので周りに知り合いも友だちも沢山いるし、買い物は徒歩圏内、学校はでかいし近いし選択肢がいっぱい。
でもねー、当の旦那がこの環境に適応できてないっぽいんだよね。
彼は転勤族だったので、あちこち田舎のほうとかで長く暮らしてたんですよ。
そんで16年ぶりに地元に帰ってきたら、一年も経たないうちに心を病み始めまして。最初、本人は無自覚だったみたいですけどね。笑
なんとかかんとかあの手この手で頑張ってはきたんだけど、ぼちぼち限界が近かったんです。
そんでわたしと精神科の先生がいろいろ提示していた環境を変える策がいくつかありまして、転勤、転職、休職、とかとかとか。
その中で「農家やればいいんじゃない、跡継ぎいなくて困ってるところがあるってテレビでやってたよ」、なーんて、一番現実味のないはなしをしていたのを一番覚えてたみたいです。笑
田舎のほうが性に合っているのではないか。
今よりも格段に、いろんなことが良い状態になるのではないか。
そんだけです。分かんないけど。
駄目だったら駄目だったで、そんとき考えればいいじゃなーい!
わたしはいつでもなんでも、たとえ予め分かっていたとしてもやらかしてから後悔するタイプですからね!
家を探し始めてから彼は毎日楽しそうにしております。
楽しそうにしてるのはいいんだけど、50代半ばとはいえやはり脳味噌はいつまで経っても男の子なので頭にも腹にも夢と希望しか詰まってません。
わたしが転ばぬ先の杖になるしかないのですな……。
小説がようやく書けるようになってきたぞ! と思っていた矢先のこの家探し。
わたし、いつ落ち着いて続きを書けばいいのかしら……。
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