プロローグ

「いきなりだった。突然俺たちの仲間が取り込まれたんだ。

 聞いて驚くなよ。こんにゃくの仕業らしい。


 馬鹿みたいな話だと思うよな。草ごときに何ができるってんだ。それも俺たちの農地でこじんまりと生えているだけのこんにゃくがだぜ。

 でも、そんなことを言っている内に、こんにゃくに取り込まれたっつう報告が次々と上がってきたんだ。もう無視はできない。ここらで一番力のある俺がちょっと様子を見に行って、どうしようもなさそうなら隣村のゲンさんの助けでも借りればいいか」


 空間に広がる弾力のある物質。あらゆる方向に伸ばされたその物質を辿ると、宇宙の果てにある一つの小さな星に辿り着いた。

 これはその続報である。

 謎の物質の手がかりが得られるかもしれないと思いながら、その星を掘り進めていく。少しその物質を刺激するだけで地中から細かい糸のようなものが伸びてくるが、他の調査でわかったように隙間のない特殊防護服を着用しているだけで簡単に防ぐことができる。

 しばらく掘ると、少しだけ感触の違う硬い物質にぶち当たった。その硬い物質に沿って歩を進めていくと、しばらくして私一人がようやく潜り込めるような穴に出くわした。

 穴の壁面には絵や記号が無数に描かれていた。それが何がしかの手がかりになり得るものだということは、一目見ただけで感じられた。

 宇宙に広がる物質はただその周囲を覆っているのみで、これまでの調査では、その表面にも内部にも何らそういった記号のようなものは見つからなかった。

 この記号はより原始的ではあるが、私たちの先祖が残したものと近い形をしている。

 この星にも、私たちのような知性を持ち得る生き物が存在したのだろうか。そしてその記号を解読していけば、もしかしたら宇宙に広がる物質の成り立ちも判明するのだろうか。

 そんな期待を込めて、記号の写真とともにこの報告を送る。


294号 イデ

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こんにゃくアドベンチャー 20文字まで。日本語が使えます。 @osushi_mawaranai

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