第6話 変幻自在の結果は?
ミューミュー
ん?あれ?僕、ミャーって声しか出なかったはずなのにミューに変わってる。ちょっとの違いだけど変わったって事だよね?これはもしやいけるのでは?顔面変幻自在成功なのか?
グォ?グォォォォーーーーーーー
バッサバッサバッサバッサ………
ふふふ……やっぱ失敗なんじゃん。
しかーーーーし!これで僕がめげると思うなかれ!
こうなる事を予測して僕はすぐさま【ママン】の背中にしがみついてやったぞ!ふはははははは!【ママン】今回は逃がさぬよ?
グォ?グォォグォォーーーーーーー
あれ?【ママン】が僕を必死で振り落とそうとしてるよ?もう気づかれた?おかしいな?こんなはずじゃなかったのに……でもでもでもでも……僕は初めて【ママン】の顔を確認した。だから今度こそ出来ると思うんだ【変幻自在】でママンの顔を再現する事が。例え今が出来損ないのシェン○ンみたいな顔面だとしても今まさに見ている顔には出来ると思うんだ。僕は必死に念じたんだ。【ママン】と同じ顔になる為に──そして【ママン】に息子って認めて貰うために。
で……僕、変幻自在でフレアドラゴンになれた。そう。なれたんだ。完全な【ママン】顔。でもよく考えたらおかしいよね。普通気づくよね。僕は馬鹿だから気づかなかったんだ。
──赤ん坊の体に【ママン】の巨大な顔はつけちゃダメ。そんな単純な事に。
突然巨大化した僕の顔面を見て【ママン】はグァ!?と変な高い声を上げて驚いていた。そして大きくなった顔目掛けて翼でバーーーーン!と強打。見事に僕ははたき落とされたんだ。ここは空の上。一応僕は翔べるはずだけど……心がポッキリ折れちゃってそれどころじゃないよね。
あーあ。このまま死んじゃおうかな……なんて考えてたら………
ドーーーーーーン!
あ。考えすぎて地面に着いちゃった……
え?思ったほど痛くないぞ?おかしいなぁ……ドラゴンボディとはいえ生まれたばかりだし【ママン】の攻撃はエグいはずだ。死ぬと思ってたのに全然死ねそうに無い。
──レベルが上がりました。
──レベルが上がりました。
──レベルが上がりました。
………………………………
──レベルがMAXになりました。
……は?なんで?
僕はのそのそと起き上がると……
真っ黒な髪の毛の何かと金髪の何かと蒼髪の何かと………ごめん。僕が殺しちゃったのかな?
数えたら5人の遺体らしき残骸がある。
すると後ろから大きな背嚢を持ったおじさんがこちらに走ってきた。
「勇者様~~凄い音がしましたがご無事ですか~~?」
……あ。僕やっちゃった。
勇者一行を殺しちゃったんだ。
僕はこの日から勇者殺しの人面フレアドラゴンのレッテルを貼られることになる。
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