人面龍の大冒険
第5話 神様再度降臨
☆注意ここから喋り方が変わります。意図して変更してます。
そっか……そうなんだ……僕は人面龍なんだ。
だから【ママン】は僕を捨てたんだ。
そうなると……この世界にとっても僕は異質ということだろう。これはまずい……まずいでしょう。
最悪人に見つかれば即刻殺されたり討伐隊が組まれたりするのでは?
──ちっ……(ブチッ!)
あのチャラ男神!シバくぞゴラァァァァァァァ!クソやりチンが俺に偉そうに能書き垂れやがって!!水飲んでアナフィラキシーで死ぬとか有り得ねーっしょ!転生先は龍?なんだそれ。しかも初日に母親に捨てられて数回は死にかけたし。なんなんだよ!!!どうせ無双とか言ってたけど雑魚ステータスしかねぇんだろぅ?詐欺師かよぉぉぉぉ!クソ神!出てこいやァァァァァ!
突如僕の周囲が白く輝き出した。まるで1週間前のあの日に戻ったようだ。
ここは転生者が訪れる場所。転生魔法陣。
「やぁやぁ!元気かい?その調子じゃ元気そうだねぇ?僕のあげたチートスキル使って無双してるかーい?いぇいいぇい!」
「…………ちっ……」
「えっ!?どうしちゃったの?性格変わっちゃってるよォ?YO!僕のあげたスキル【変幻自在】に【ドラゴンボディ】が気に入らなかったのかい?……あそれともドラゴンの息子が気に入らなかった?じゃあ公爵令嬢とか勇者とかそんなありふれた職業でも良かったわけ?あー僕またやっちゃった?あははははは!早とちりってよく言われるんだよ!じゃ今すぐでも変更してあげるからね!でもその体はもう変更不可だからその体のまま公爵令嬢とか勇者にしちゃうけどいいよね?よしっ!!そうと決まったら!」
「ちょーーーーーーーーーっとまてぇ!!!」
「ふぇ?」
「初めっからスキルの説明や生い立ちの説明も無しに転生させっからこんな風になってんだろ?あぁん?だからよ?ちゃんと説明しろや!!!まず【変幻自在】ってなんなんだよ!」
「あはははははははははははは。ごめんごめん。そんな怒らないでよぉ。僕怒られ慣れてないから切れちゃうよ?いいの?ふぅ……よし。【変幻自在】ね?分かりやすく言えば誰にでもなんにでもなれるんだよ。龍だろうが蟻だろうが人だろうがね。ただし君の顔面は固定される。顔面を変えたいなら変装系のスキルを習得するしかないね。こればっかりは僕にはどうしようもない。自分で習得してね。」
「あ。そういう事ね。僕はそもそも人間なのに龍の子供に無理やりねじ込まれたと?そういう事ね?せめて【変幻自在】が顔も変幻自在なら困らなかったのにな!クソが!そうしたら生まれた瞬間に育児放棄なんてされ無かったんだよ!」
「あ、そっか!あはははははははごめんごめん。もう棄てられちゃったんだ。残念だね!でもね?【ドラゴンボディ】最強だよ?無双できちゃうよ?いいの?僕にそんな口聞いて。娼婦の息子に転落させちゃうよ?男娼になって5年で性病で死ぬ運命だけどいい?そっかぁそれがいいかぁ……じゃあ仕方ない無いね!じゃ……」
「待って!ま、待ってください!僕はこのままでいいです!変幻自在極めますから!神様ありがとう!超イケメンでカッコイイ!惚れちゃいそう!ヒュー!」
「……君にはそのキャラ似合わないから。まぁ今回は僕の失態もあったから許してあげるけどさ?次は無いよ?次、神に暴言吐いたら豚公爵だからね?いいね?頼んだよ?じゃあねぇーーバイなら!」
「……」
先程までの白い背景から一転。僕は真っ暗な中に居た。
──えっ!?ここは……もしや……卵の殻のなか?
初めっからやり直し?
そんなぁ……僕は手足をバッっと伸ばした。
パキッパキッ……
やっぱり?やり直しか……じゃあこのまま卵の殻を破れば母ドラゴンに捨てられて涙無しでは語れない転落人生が待ってるわけよね?またわざわざここからやり直した神様に悪意を感じるけど頑張るしかない。僕は必死でドラゴン顔になる様に念じる…念じる…念じる………僕なら絶対出来るはずだ!変幻自在じゃ無理って言われたけど……いける気がするんだ!
顔が少し熱くなってきた。若しかすると龍の顔になってるかもしれない。まぁなってないかもしれないがこればっかりは水面を見るしかない。一か八かだ。僕は頭を振りかぶっておでこで殻を突き破った。
ピシッ……パキパキッ!
そして僕は遂に誕生したんだ。史上最強フレアドラゴンの息子として。
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