第4話 僕の顔は変な様です。

1週間此処で生活した僕は岩山を下る決意をしました。ここにはあまりにも僕が食べれるものが少ないのです。虫だけ食べるのはもう勘弁なのです。


僕は【翔べ】とイメージします。するとフワッと体が浮き上がりました。よし。うまく翔べました。翼を動かす事も少しは上達し方向転換も上手になったと自負しています。岩山を風の吹くままに翔んでいきます。左に右に翼を使ってできるだけ真っ直ぐ翔べるように調整しましたが時々岩肌に当たってしまいました。痛かったです。


そんな時です。岩に擬態していた巨大なカメレオンが僕をまたまた舌で巻きとって口の中にホールインワンしました。僕はなんてついてないのでしょう。しかし僕も負けてはいられません。必死に【翔べ】と念じました。すると昆虫に丸呑みされた時とは違い僕を絡めとっていたカメレオンの舌は千切れ僕はそのままカメレオンの体内を突き破りました。僕の鱗の勝利です。カメレオンなんかに負けてられません。


カメレオンを念の為味見しましたが僕の口には合いませんでした。肉は硬くアンモニア臭がキツくてとても食べられたもんじゃなかったです。ぺっぺっ!


そして僕は気を取り直してまた翔びたちました。風に任せて西へ東へ…。はっ!?あれは……あれは川じゃありませんか!川は水があるんです。飲みたいです。今気づきましたが僕はこの1週間全く水を飲んでませんでした。1度考えてしまうと喉が渇いて死にそうです。喉がくっついてしまいそうです。現金な性格と昔よく言われていましたが現在も治ってないようです。あはは。許してください。


僕は川にたどり着きました。


そして─驚愕しました。


僕は既に死にたくなりました。


それは何故か?それは水面を見てしまった事に起因します。


それは僕が………














人面龍だったからです。


それで漸く繋がりました。【ママン】が僕を捨てた理由が。あの僕が生まれた瞬間。【ママン】は驚いたのでしょう。自分の卵から人の顔面を持った龍が出てきたのですから。

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