キューピット
勝利だギューちゃん
第1話
恋・・・
たいていは、敗れ去る。
告白してOKされるのも、僅か。
仮にOKされても、正確の不一致や好みの違いなど、付き合い始めてから、別れる事も多い。
「どうしてなんだろう?」
私は、天を見て思う。
・・・もし、恋のキューピットがいるなら、何をしているのか?
怠慢もいいちころだ・・・
辛い事の多い世の中。
せめて、恋愛くらいは傷つかないでいたい。
ふられるのもそうだが、その後の追い打ちが辛い。
他人の恋愛は、娯楽なのだ。
「恋のキューピット、聞いてる?怠慢はやめて」
届くはずもないが・・・
「言わなくても聞えてるわよ」
その声に、ハッとする。
どこ?どこにいるの?
「あなたの上よ、娘さん」
上には、天使・・・がいた。
「私を、呼んだのはあなただよね?娘さん。
頭の上に天使の輪っか。そして、翼。
手には弓矢を持っている。
でも、何だか変・・・
「気がついたみたいね、娘さん」
この天使・・・
目が・・・
「そう、私たち天使は盲目。なので、聴覚は優れている、
あなたの声が聞えたので、私はやってきた」
「何のために?」
「あなたの疑問に、答えるために・・・」
天使はそういうと、私の所に下りてきた。
「恋のキューピットは、みんな盲目なの?」
「そうだよ。でも、私たちはそれが当たり前なので、気にしていない」
「なら、私は見えないんだね」
「うん。でも、心の眼はひらいている。だいたいわかるよ。あなたの容姿」
そうなんだ・・・
「私たちの活動場所は空なので、ぶつかる心配はないわ」
「・・・そう・・・」
天使の世界も大変なんだ。
「話を戻すね、どうして報われない恋が多いのかと言うと・・・」
「うん」
「私たちは、盲目だと言ったよね?」
「うん」
天使は、続けて話を続けた。
「私たちは、盲目だから気配でしか、天使の矢を放つことが出来ないの」
「うん」
「なので、正確に狙いを定める事が出来ない」
「うん」
なんとなく、わかってきた。
私が言ってもいいのだが、天使の言葉を待とう。
「そのために、失恋や片思いが起きてしまうの」
「そうなんだ・・・」
「わかった?」
そういえば、動物の世界でもあるな・・・
辛いのは人間だけでは、ないのか・・・
「じゃあ、私は仕事だから、またね、人間の娘さん」
「あなたに、休みはあるの?」
天使は、答えた。
「24時間ではないけど、無休だよ。あなたに真実の恋が訪れる事を、願ってるね」
キューピット 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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