第31話訪問者
朝だ
徐霊の為神社に来て2日目の朝だ
「……」
俺は居間にいた。隣の部屋には市とキャサリンがいる
会いには行かない、行けない、行きたくない
殺されかけた、嘘でも冗談でもなく
「……なんなんだよ」
俺は一睡もできなかった、怖くて、気になって寝れなかった
「嫉妬すんなよ、マジだりぃ……」
ここであと5日いなくてはならない
できるのか?俺に、しなくてはいけないのか?俺は
「くそっ」
何事もなく終わるはずだったのに、ただ一週間乗り切るだけかと思ったのに
「なんなんだよ……」
俺は窓の外を見る。すると……
「ん?あれは……」
神主が見えた。何をしているんだ?
よく見てみると掃除をしているようだった
……まぁするか、普通
「はぁ……神主にチクれたらな~」
神主に声が聞こえるかどうかもわからない、そもそも聞こえたら呪いの人形と認定されて焼却処分だろうが
(また手紙を書くか?)
それでも呪いの人形確定だ、普通の人形は手紙を書かない。それをするならまずは俺が無害だと認識してもらうしかない
「はぁ~どうしようか……」
考えてもアイディアが浮かばない。
相談しようにも相談相手がいない。
「ダメじゃん、俺詰んだ」
俺はうなだれた
「あなた、どうしても行くの?」
高橋瑠衣は自身の主人、高橋誠に話しかけた
「ああ、京介がいるからな」
「あれは、本当に京介なの?」
瑠衣はお腹いっぱいご飯を食べ、暖かいお風呂に入り、一晩ぐっすり寝て少し落ち着いた
でも主人は違う、意固地に休もうとしなかった
「京介に会ってから考えればいい」
瑠衣は疲れているからなのかまともな考えができないんだと気づいた
「休みましょう、あなた」
「いや、大丈夫だ」
「……京介がいやがるかも?お風呂にも入ってないでしょ?」
「……そうだな」
これで休んでくれればいいのだが……
瑠衣はため息ついた
「お客さんだよ?ミズハちゃん」
「えっ?」
そこには警察官が立っていた
「すみません、お忙しい中」
警官は頭を下げる
「仕事ですか?」
「はい、現物の確認です」
「高価な品物らしいですからね」
「ええ。本当にそうなのか裏付けをします」
「なら写真を撮りますか」
「はい」
「では、どうぞ」
俺は数枚写真を撮られた。主に顔を
「では、ありがとうございました」
「いえいえ、ご苦労様」
そうして警官は出て行った
「ふう……」
「君は人気ものだね」
ウインクされた
「……」
「ボロを出さないか……やれやれ」
そう言い神主は出て行った
「……人気なのか?」
里美も人気なレアドールって言ってたっけ?
「人気でも呪われてたらな~」
里美はなぜ今も俺を自分のドールと言うのか
里美も変わっているのか、それとも何かあるのか……
「里美のこと何もわからないんだな、俺」
窓から朝日が射し込むなか一人呟いた
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