第3話恋人

「はぁ~やっぱりかわいい~」


俺はあの後で箱から出された

金髪のボブウィッグ、紫色のアイ、ブルーのドレス、それにアクセサリー


「やっぱりこの色の組み合わせ好きかも~」


俺はどうやら人形、しかも貴族の貴婦人みたいな姿のやつに転生したらしい

名前はミズハ、誰だよ


「このディーラーさんのドレスいいな、、、チェックしないと、、、メイクは、、、この人のは、うんやっぱりいい」


なんかいろいろあるのか?ディーラーって車?

メイクもいろんな人がしているのか?わからん


「ヤバい、何時間でも眺められる、、、」


俺はその間見つめられ続けられるのか


「はぁ~よくやった!里美!!偉い!」


サトミと言うのか、自分で自分を誉めるタイプなのね


「ミズハ~可愛いね~」

「……。」


なんかどうしよう、ってかどうなるんだ?俺は

事故死からの転生はいいけどドールって何すんの?

ひたすら着せ替えられる運命か?それともエロいことされる?


「ミズハ~、いいお知らせありま~す」


お、なんだ?


「彼氏お迎えしました~パチパチ~」


……。

はぁ?

はぁああああ?

彼氏?俺は男……いや、今の時代それはナンセンスか


「私頑張ったから、立て続けにドール二体お迎えは金銭的に辛かったけど……いなかったら寂しいよね?」


いや、それはサトミちゃんの基準で……俺は別に……転生前も彼女いなかったしって何思い出させてるんだ!!


「カッコいい王子様だよ!絶対に合う!!」


王子様か、なら俺はお姫様か?

急に身分が上がったな


「ちょっと待ってね~」


そう言うと里美は後ろに置いていた箱を開け始めた

その様子を俺はただ見ていた

なんか疲れるな~


「はい!王子様登場~!!」


かけ声と共に出てきたのはひとつのドールだ

茶色のオールバックにタキシード?って言うのか?それを着ていた。しかも白

肌は浅黒く目は灰色だった

なんだよこいつ……

俺は引いた、サトミには悪いけどなんか柄の悪い男に見えた。目の周りのアイシャドウか?濃くね?

人形だからそんなもんか?


「名前はマリンくんで~す」


なんか可愛い名前

里美は何の違和感ももたず俺の横にマリンを立てた


「はい!ツーショット!!」


どこから出したんだ、一眼レフがフラッシュをたく

俺は目を閉じそうになった、ドールだから無理だったけど


「ヤバい~、似合うかも~」


本当か?本当なのか?俺はサトミの言葉を不信に思った


「並べて飾ろうっと」


俺たちは金属の棒をはめられ棚の中へと運ばれる

ヤバい……俺は閉じ込められる!?

思うが早く里美は二体の人形を棚にしまった


「また写真撮るね、今日のこともブログにあげるから」


ブログやってんのか……っていやいや!

俺はこの棚のなかでいなきゃいけないのか!?

里美は部屋を出ていく途中だった


「サトミ!」


俺は叫んだ

当然のごとく無視される、まぁ人形の声なんて聞こえないか


「マジかよ、どうすんだよ……」


俺は隣の人形に見つめられながら棚の中でへこんだ


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