第2話お迎え

俺はドール(人形)になった

バイク事故から目が覚めたらこの有り様だ

訳がわからない、しかもなにやらレアなドール、ミズハになってしまったらしい(店員が言ってた)


「はぁ~、可愛いな~」


俺はあれから箱に詰められ、運ばれ、この家にやって来た


「ヤバい、吐く」


何で?こいつヤバい系?

俺は箱に横たわったまま思った


「さて、開封動画撮るかな~」


開封動画?それなに?そんなの撮ってどうするんだ?そんなのネットに上がっているのか?

これが俗に言うドールオーナーってやつか?

こんなんなのか?いや、違うだろたぶんだか……。


「ボタン押して…と。ハイ!世界でただひとつだけのミズハちゃんお迎えしました~」


今日から俺はミズハという名前他なるらしい……。ガチで!?


「とりま、急ぎなのでウィッグとお洋服は後で着せまーす!」


あ、俺今服着てないのか。

ウィッグってことはカツラ?今ハゲ?


「これからミズハちゃんをよろしくお願いしまーす」


ピッと電子音がして動画撮影が終わる


「短いけど仕方ないかぁ」


そして俺、ミズハを見て


「ゴメンね~これからシフト入ってるから仕事なの、明日ゆっくり着飾るからね!」


そう言って早々と部屋を出る

ポカンとする俺。


「……えっ、放置ですか?」


どうすればいいんだ、俺。

壁の向こうでバタバタと音がする

このまま放置コースは間違いない


「ええ……」


俺は周りを見ると周りには棚がある

そしてその棚にぎっしりと人形が詰まっていた


「……」


怖い、怖いよ

大中小さまざまな人形が入れられている

俺、フツーの人なんですけど。あっ、今は人形か。


「動かないよな……」


俺がボソッと呟くと一番前にあった人形が笑った、気がした。


「!!」


俺は固まった、お化け屋敷は大丈夫だがリアルなホラーは無理だ。

ヤバい、どーする。


「あ、箱の蓋しめなきゃ」


その声と共に視界が暗くなる

箱に入った俺は箱に閉じ込められた


「……まだましか」


俺は外からの鼻歌と視線を感じながら呟いた。


「どうしよう……マジで怖い……」


俺は身動き取れない箱の中で震えた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る