第3話  山賊②

 山賊たちの背後に立った瞬間僕は気が付いてしまった............服作るの忘れてた!!


 (ヤバイって!!!いくら見た目10歳でも全裸はやばい!!)


 僕は一瞬の内に森に戻り、黒龍の皮を使った服を一瞬で作り、一瞬の内に元の場所にもどった。

 

 山賊からすると肌色成分が見えたと思ったら、すぐに真っ黒い服を着て、、顔に何か圧を感じる面をつけてる人間が出てきたと言ったところだろう。


 「はっ!何者だオメェ!!顔を見せやがれ!!」


 「お前らみたいな屑に見せる顔はない。」


 顔を見せろと言われて見せる奴なんかいるわけがないだろう。


 すると横から、騎士隊長だと思われる男が、体が動かせるようになったのか、立ち上がり声を張り上げてきた。

 

 「何者かは分からぬが助力感謝する!あとは任せて早く逃げてくれたまえ!」


 1回倒されたし、兵も相当数が負傷しているのにまで勝てると思ってるのか、それとも単なるお人好しかは知らないが、ここまで来て逃げるのも罪悪感が残るだろう。


 「騎士の数も劣って、1対1でも負けておいてまだ勝てると思っているのか?馬車の中の人を守れるのか?」


 そう問いかけると騎士隊長は、苦々しい顔をして首を振った。


 「だろう。逃げるのならばわざわざこんなことにちょっかいは出さない。」


 「そうだな...すまないが力を貸してはいただけないだろうか?」


 騎士隊長もやっと分かったのか、手助けを求めてきた。


 「勿論だ協力してやろう。」


 「おいおいしみったれて展開は終わったか?さっさと殺させろよ!お前みてぇなクソガキを嬲り殺すのが俺は好きなんだ!!」


 そうゆうことか。なぜ話し合いを待っていたのか、と思っていたがやっと理由がわかった。まぁ理由が分かったところで、殺すことに変わりはない。


 ざっと見て山賊は15人か...いや、17人だな。

 

 「そうだなぁ...5秒だ。俺は5秒でお前らを全員殺す。」


 「あぁん!!ふざけたこと抜かしてんじゃねえぞ!!このクソガキが!!!」


 「さっさと構えろよ。カウント始めるぞ。」


        「いーち!」

 

     1秒で山賊の後ろに転移した。


        「にーい!」

 

 2秒で山賊の下っ端全員の首を、手に魔力の刃を纏わせて切ったが、早すぎて切られたことに気が付いていない。


        「さーん!」


 3秒で周囲の木に隠れている弓を持った山賊の心臓に手刀を1発。


        「よーん!」


 4秒で隠れていた山賊を街道の山賊の近くに投げ飛ばした。


        「5秒だな。」


 最後に山賊の頭の心臓にも手刀を1発入れた。


 「がふっ...てめぇ...何もんなんだ....!?」


 「俺か?俺は.....そうだなぁ、『聖魔』とでも呼んでもらおうか。」


 「はっ....こんな....バケモンがいるとは......知らなかったぜ......」


 そう言うと山賊の頭は死んでいった。他の山賊は死んだことにすら気がつかず死んでいった。


 「これで終わったな....そろそ「すいません!!」

ん?なんだ?」


 見ると馬車の中から、10歳ぐらいの子供と、その親だと思われる夫婦が出てきていた。夫だと思われる方は、何処か厳かな雰囲気がにじみ出しており、妻だと思われる方は、おっとりした雰囲気の中にも凛とした芯が通った、いかにも大貴族と言わんばかりの雰囲気を醸し出していた。


 「山賊は倒してくれたのか?第3騎士隊長よ。」


 「はっ!こちらのお方に力をお借りしたと言うより、こちらの少年がほぼ全ての山賊を、討伐してくださいました。」


 「ほぅ...この少年が助けてくれたのか.....そこの少年よ、このたびは山賊から守ってくれたこと大いに感謝する。」


 「いえ、たまたま通り過ぎようとしたら危険な状況だったので。」


 馬車から出た男は、白銀のマスクをつけた少年の声を聞いて、本当に10歳程の少年と言われる声色だと言うことに内心驚いていた。


 

 

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