第3話 妹でない

 きーんこーんかーんこーん

 本日のクソつまらん授業は終わりだ。

 繰り返される日常に飽き飽きだぜ。

 だが今日は特別だぜ。


「おい、雄二。買い物に付き合え」


「なんで、そんな上から目線!?」


「いいから」


「まあ、別にいいけど」

 

 雄二は押しに弱い。


「どこいくんだよ」


「それは言ってからのお楽しみだよ」


 俺は不敵な笑みを浮かべる。

 雄二は間抜けな顔をしているぜ。

 

 ホームルームが終わり下校する。

 

「よし、いこうぜ」


 俺は雄二に声をかける。


「おまえ、妹と帰らないのかよ」


「妹は部活だ」


 俺たちは教室を出る。


「へえ、お前なら一緒の部活に入りそうなのに」


「あいつ、女子軽音部なんだ」


「それでか」


「体験入部はしたんだけどな~」


 雄二はおどろいた。


「え!!どうやって!?」


「もちろん、女装してだよ」


 雄二との距離がどんどん離れていく。

 物理的にも精神的にも。

 なぜ?


「あとで妹に怒られたな。一日中無視されて、やばかった」


「おまえ、よく一日で許してもらえたな。おれだったら殺すけどな」


「一日中妹の部屋の前で土下座したからな」


「キモ過ぎる。ひくを通り越して心配になってきたわ」


 そうこうしている間に、着いた。

 

「ここだ!!」


「って、ただのスーパーじゃねぇか!!」


「そうだ。今日は卵安いんだ。一人一パックまでなんだ。うちの家計に協力しろ!!」


 雄二はため息をつく。


「はぁ~。まあ、いいけど」


「さすが、心の友よ」






 無事に卵を二パックゲットする。

 

「ありがとう。お礼にこれあげるわ」


 俺は通学カバンの中から長いひも状のものを取り出す。


「延長コードいらねーよ。しかも、SATAケーブルじゃねか。ここはコンセントかUSBにしろよ!!」


「あとこれ」


 俺はちいさなプラスチックを渡す。


「なんだこれ。なんかのパーツか?」


「Tパーツの12だ」


 雄二は何か引っかかったようなので考え出す


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「あ!!ガンプラの残りパーツじゃねえか!!」


「おっ、よくわかったね」


「じゃあさいなら」


 俺は走り出した。


「いらねぇよ!!」




 


 




 

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