第2話 妹と登校
グーーーーー
パチン
「痛いっっっっっっったい」
顔面の激痛にのたうち回る。
「お兄ちゃんやっと起きた」
黒髪のロング、整った顔立ちは聖母マリアよりも美しい。薄らと白い羽が見える。天使だ。
「ここは、天国なのか」
「何バカなこと言っているの」
思いっきり布団をはがされる。
ううう、寒いよ
「これは、我が妹ではないか!!」
「なんで武士口調なの」
妹だった。あの羽は幻覚だったようだ。だが、美しいことには変わりない。
手には、ハエたたき(電流あり)が手に握られている。
「まさか、それ使ったのか?」
「全然起きないお兄ちゃんが悪いんでしょ」
マジか、それでやたら痛かったんだ。
「ふわあぁぁぁぁぁ」
俺は大きなあくびをする。
そして、もう一度目を閉じる。
バチン
「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「こら、二度寝しない。遅刻しちゃうでしょ」
「ぐぬぬぬぬぬぬ」
俺は仕方なくベッドから出る。
朝食はいつも妹が作ってくれる。
朝が弱い俺のためだ。
ダイニングテーブルにガンガン頭を打ち付けながら待っていると目玉焼きトーストが出てきた。
トーストの上に目玉焼きが乗っているだけだ。
「お待たせ」
「いたただきます」
俺は最初に上の目玉焼きの部分だけを食う。
「あ!!ラピュタ食いはやめてって言ったのに」
「あ、忘れてた」
「もー、あとただのトーストじゃない。素トーストだよ」
妹は頬を膨らませる。
「べつに素トーストでもおいしいよ」
「もー、味ないでしょ」
妹は立ち上がって冷蔵庫からマーガリンを出してくれる。
「ありがとう」
俺はお礼を言う。
学校に行く支度をして、玄関を出る。
ここは、田舎でもなく都会でもない、中途半端なところ。
埼玉みたいなところって言ったらわかりやすいかな。近畿だと奈良みたいなところ。
コンビニの前にヤンキーがたむろっている。
俺たちはその前を通っていく。
「おい!!」
野生のヤンキー二匹が現れた。
「金貸してくれね」
俺に向かって言ってくる。
「おっ、かわいいじゃん。ねぇねぇ、遊ぼうよ」
ヤンキーAが気安く俺の妹に話しかける。
俺と妹目を合わせる。
「「キンテキキッッッッッッックーーー!!!!!!!」」
二人同時にヤンキーの股間を蹴り上げる。
WEAK
総攻撃のチャンスだ
→はい
いいえ
膝をついているヤンキーどもに追い打ちをかける
ドスバキドゴズバブチャ
「よっし、行こう」
「そうだね、お兄ちゃん」
俺たちは歩きだす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます