妹よ天使になれ

第1話 シスターコンプレックスから生まれてきた男

「俺は妹が好きだぁぁぁぁ」

　高校の昼食時間。

　雄二と机を引っ付けてぺらぺらとしゃべっていた。

　なぜ俺が叫んだかって？

　それは、好きな人がだれかって言われたからだ。

「お前のシスコンぶりはわかったから、叫ぶな」

　雄二は嫌な顔をする。

「これが叫ばずにいられようか、いやいられない」

「分かった、分かったから。夢見ちゃんのことを好きなのは分かったから。確かにかわいいけど、お前実の兄だろ？さすがにやばいって。世間の目もあるのに」

「そんなことはない。兄は妹を愛するために生まれてきたんだ。命を賭して守らねばならない。大体、そんな当たり前のことをなぜ変な目で見られなければならない。差別だ！！ポリコレを知らんのか！！」

　俺は胸を張って言う。

「お前な･･････」

　雄二はため息をつく。

「ポリコレを知らんのか！！」

「知ってるよ！！ラスアス２のやつだろ！！」

　雄二はいら立ちながら叫ぶ。

「はぁ～～～」

　雄二はため息をつく。

　そうこの俺、橘伊織はシスターコンプレックスだ。

　妹がいないと生きていけない。

　俺にとって、妹こそがハルヒなのだ。

　あ、妹の名前は夢見だけど。

　妹こそ神。